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学校説明会レポート
関東学院中学校
2023年10月10日(火)
“Olive STREAM”のプログラムで、利他の精神を持った生徒を育成
関東学院中学校高等学校は、横浜バプテスト神学校を源流として1919年に設立された歴史ある中高一貫校です。キリスト教の精神に基づく校訓「人になれ 奉仕せよ」を継承する同校は先進的な教育を推進し、自分の力を他者と共に用いるサーバント・リーダーの育成をめざしています。
この日の説明会は、同校の充実した学習環境を体感できる中学校舎の校内ツアーから始まりました。見学終了後、あいさつに立った校長の森田祐二先生は「長い間受け継いできた本校の教育活動のなかには、新しい学びとも共通するものがあります」と述べ、2年前から提唱している“Olive STREAM”を軸とする教育内容を詳しく説明しました。オリーブは聖書に登場する平和の象徴であり、校章のモチーフにも使われているものです。一方、STREAMとは、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)教育の「STEM」にAとRを加えたものです。同校では、「Engineering」に「English」の意味も込め、さらに芸術・教養(Art, liberal Arts)と宗教(Religion)を加えて「Olive STREAM」と呼んでいるのです。
校内には5室の理科実験室のほか、技術室、美術室、窯を備えた陶芸室があり、数多くの実験や作品の制作に活用しています。森田先生は「中1の音楽は週2コマの設定で、生徒は専門の教員からピアノとバイオリンの指導を受けます。中2は全員がギターを学ぶのも特徴です。美術ではイーゼル(画架)を使用して絵を描くなど、日常ではなかなかできない経験を学びに取り入れています」と話し、伝統的に芸術・教養を重視してきた学校であることを強調しました。さらに、リベラルアーツの実践の場として、希望制の華道・茶道・中国語・韓国語などの課外授業、アプリを開発するデジタル講座、“働くとは何か”を考える「考働学」の講座なども開講されています。
英語教育では、通常の授業と英会話の授業のほかに、週2回、クラスを3分割してネイティブの講師がオールイングリッシュで指導する「ベルリッツメソッド®」を導入しています。この授業を担当する講師の出身地はさまざまなので、その地域の歴史や文化も学べるそうです。高1になるとオンライン英会話にも取り組み、英語4技能をバランス良く身につけます。こうした学習の成果が表れ、2022年には25名が英検®準1級を取得しました。今年度より、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス、台湾などで研修を行う「Kantoエクステンションプログラム」も始まりました。
力を入れている探究学習は、社会問題に取り組む人に会いに行く「Human(Quest)Tourism」というプログラムを中心に据えています。SDGs(持続可能な開発目標)の視点を持って地元・横浜の街を巡る「横浜ロゲイニング」や、20人ずつのグループに分かれて全国12か所を訪れる「探究ショートツアー」など、6年間を通して「人」に焦点を当てた探究活動が行われています。
また、同校では、医学科志望者を集めた「メディカル(医学科)プログラム」を立ち上げるなど、生徒の希望する進路の実現を積極的にバックアップしていますが、その一方で部活動も教育の重要な要素としてとらえています。この日の説明会でも、技術部やマーチングバンド部で活躍する生徒たちの姿が紹介されました。最後に、森田先生は「教育とは、学校で習ったことをすべて忘れた後に残っているもの」というアインシュタインのことばを引用し、「クリスチャンスクールである本校では、学びの先にあるものとして、『他者愛と利他の精神を持った生徒を育てる』ことをミッションとしています。本校の多様なプログラムが将来にしっかりと結びつくように、生徒たちに経験を積ませて、知識・技能を習得させるとともに、人のネットワークをつなぐ力も育んでいきたいと思います」と力強く語りました。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
中学校舎2階の「理科フロア」には、物理・化学・生物・地学の各分野の実験室と総合理科室が完備し、生徒は実物に触れながら科学的探究心を養っています
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