受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

足立学園中学校

2023年10月6日(金)

社会のためにどう役立つか、「志」を持って進路を切り開く生徒を育てる教育を実践

 「足立の地に男子中等教育の場を」という地元の要望に応えて、1929年に設立された足立学園中学校・高等学校。キャンパスは、JRや東京メトロなど多数の路線が乗り入れる「北千住」駅から徒歩1分という通学至便な立地にあり、目の前にある東京電機大学とは学園祭などを通じて、活発に交流しています。ICT教育の拡充に向けた動きも早く、2020年3月には日本の中学・高校として初めてMicrosoft Showcase Schoolの認定校となりました。

 中学では、入試の成績により「特別クラス」「一般クラス」の2コースに分かれます。このうち「特別クラス」は難関国公立大学や海外難関大学への現役合格を目標としたクラスで、特別奨学生入試の合格者、奨学生にはなれなかったものの特別クラスに合格した成績上位者、そして一般入試の成績上位者で編成されます。入試広報部長の相澤智子先生は「特別クラスと一般クラスは、取り組む演習の難度や量こそ異なりますが、カリキュラムや授業の進度は同じです。成績が上がった生徒は、進級時に一般クラスから特別クラスに移ることも可能です」と説明しました。

 いずれのクラスにおいても、中2以降の英語と数学の授業は習熟度別に少人数制で行われます。主要教科の単元テストや定期考査で成績が振るわなかった生徒には、補習や追試が課されます。

 続く高校では、難関国公立大学・海外大学を視野に入れた「探究コース」、難関私立大学進学を目標とする「文理コース」、総合型選抜で大学合格をめざす「総合コース」の3コース制になりますが、「中学からの内部進学生のほとんどが『探究コース』または『文理コース』に入ります。近年では、探究の成果を用いて総合型選抜や学校推薦型選抜で難関大学に合格する生徒が増えています」とのことです。

 学習サポート体制も整っています。夏休みには全員が夏期進学講習に参加し、中1から高1までは英語・数学・国語の必修講座を、高2・3は、希望する進路に応じた選択制の講座を受講します。中学生対象の週2回の「学力ジャンプアップ講座」は英語・数学のサポート授業で、同校OBの大学生・大学院生による指導の下、生徒たちはレベルに合わせて受講できます。

 同校では、1929年の創立以来受け継がれてきた建学の精神「質実剛健」「有為敢闘」の実現に向けて、「志共育」をモットーとした改革に取り組んできました。副校長の髙井俊秀先生は「開校以来変わらず、本校がめざしているのは、誠実で強くたくましく、優秀で人の役に立ち、最後までやり遂げる人材を育てることです。中高の6年間は、進路を定め、その実現に向けてがんばる時期です。その過程において私たちが生徒に伝えたいのは、“志”を持って将来を思い描くことの大切さです。社会のために、自分はどのように役立てるかを考えながら、将来を切り開いてほしいと考えています」と述べました。松下政経塾と提携した「志共育」、足立区や助産師の協力の下で実施される「紳士教育(いのちの授業)」、企業インターンワークといった、成長段階に応じた体験学習の機会があるのは、こうした教育方針の表れです。高校では主体的な進路選択に向けた講演会なども行われています。

 その一方で、グローバル教育にも力を注いでいます。中1から参加できる「オーストラリア・スタディーツアー」、「オックスフォード大学特別留学プログラム」(高2・3の希望者)、3か月間の「オーストラリアターム留学」(高1の希望者)のほか、ラオス、アフリカ、タンザニアといった発展途上国を訪れるスタディーツアーもあります。髙井先生は「発展途上国が抱える社会問題を現地で体感することは、『自分は地球の一員として何ができるのか』を考える貴重な経験になります。多様なカリキュラムを通じて、一人ひとりが確固たる志を立てて卒業していきます」と結びました。

イメージ写真 約300席を有する自習室は午前7時から夜8時まで利用できます。6階建ての体育館には剣道場、柔道場、卓球場のほか、トレーニングルームや屋上テニスコートも備わり、全国レベルで活躍する部も多くあります

www.adachigakuen-jh.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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