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学校説明会レポート
東京電機大学中学校
2023年9月27日(水)
理科・情報・体験を重視した学びで個性を引き出し、主体的に選択して生きる力を培う
東京電機大学は「実学尊重」という建学の精神の下、技術で社会に貢献する人材の育成をめざす理工系大学です。その系列校である東京電機大学中学校・高等学校では、理科・情報・探究の三つを柱に、体験を重視した教育プログラムで生徒一人ひとりの個性と適性を引き出す学びを実践しています。
説明会の冒頭、あいさつに立った校長の平川吉治先生は、東京電機大学の初代学長で、ファクシミリの生みの親として知られる丹羽保次郎先生が残した「よき技術者は人としても立派でなければならない」ということばに触れ、「校訓の『人間らしく生きる』に正解はなく、一人ひとりが自分の道を選択して生きることだと考えます。そのためには個性を磨き、自分の価値観と倫理観をしっかりと持つことが大切です。わたしたちの役目は、生徒の学ぶ意欲を後押しすることと、自分の意思で物事を選択し、その決断に自信を持って人生を歩んでいけるように、一人ひとりを育てて社会に送り出すことです」と話しました。
続いて、中学教頭の磧谷和樹先生から教育内容について説明がありました。中学では1クラスを約30名と少人数制にして、きめ細かい指導を行っています。まず中1・2については自立した学習法の確立をめざします。次の中3・高1では習熟度別クラスを設けて効率的な授業を展開します。そして、高2からは文系と理系とにクラス分けされます。高3ではたくさんの自由選択科目を開講し、進路別に演習中心の授業を実施して、志望大学への合格をめざします。磧谷先生は「以前は8割前後が他大学を受験していましたが、近年は学内推薦で東京電機大学に進もうとする生徒が増えています。理系志向の高まりが背景にあるようです」と説明しました。
続けて、磧谷先生は特色ある学びとして「理科教育」「情報教育」「体験学習」の三つを挙げました。まず「理科教育」では「実物に触れる」ことを重視しており、中1から高2までの5年間で100種類以上に及ぶ実験や観察を行います。加えて、実験器具を手作りする機会も多く、中2の物理では、実験器具や試料を保管する「実験BOX」を自作します。これは、それぞれの器具には、必要な仕様・仕組みがあることを理解し、物への興味を深めてもらうことが狙いです。また、試行錯誤しながら主体的に手を動かすようになるので、真のアクティブ・ラーニングにもなります。磧谷先生は「本校には理科の専任教員が11名在籍しているため、準備に手間と時間がかかるこのような授業も実現できるのです。安全性への配慮や生徒へのサポート体制も万全です」と話しました。
さらに、同校では、プログラミング教育の必要性が叫ばれるずっと前の1969年から「情報教育」をカリキュラムに組んでいます。授業は情報専門の教員が担当します。目標に「表現力を鍛えること」を掲げ、中1からプログラミングの基礎を学んで教育用ロボットを動かす実習に挑みます。それを通して自分のアイデアが実現する感動や、人を楽しませる喜びを体験します。高1では、高水準の汎用プログラミング言語「Python」によるプログラミング演習にも取り組みます。
「体験学習」は探究学習の一環として行われています。学校行事をはじめ、宿泊行事、校外学習、国際交流プログラムなどを体験学習の場として位置づけ、その前後の授業には「課題認識→情報収集→分析・思考→まとめ・表現→新たな課題認識」というサイクルを組み込んでいます。磧谷先生は「多くの体験学習を実施しているのは、生徒に自分のやりたいことを見つけるきっかけとしてもらいたいからです。失敗をしても、何度もチャレンジし、工夫して課題を乗り越える経験を積み重ねてほしいという願いを教員全員が共有しています」と結びました。
JR「東小金井」駅から徒歩5分。理系・文系の比率は6対4で、男女の比率は2対1と男子が多くなっています
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