日本とカナダの両方の高校の卒業資格が取れるダブルディプロマコースが人気

　文化学園大学杉並中学・高等学校は、2014年にカナダのブリティッシュコロンビア州（BC州）の海外校として日本で初めて認定され、Bunka Suginami Canadian International School（BSCIS）という校名が加わりました。日本にいながらカナダのカリキュラムで学べる「ダブルディプロマコース（DD）」を卒業すると、日本とカナダの両方の高校卒業資格を得られます。国際的に認められたこの卒業証書を取得すれば、カナダやアメリカなど海外の大学だけではなく、日本国内の大学を受験する際も優遇されます。

　この日の説明会であいさつに立った校長の松谷茂先生は、「これから社会人になって成長するためには、アントレプレナーシップ（起業家精神）を育てることが必要です。そのために、本校ではみずから新しいものを作り出すSTEAM教育※1や、自分の意見を発信する力を養う探究学習に力を注いでいます。また、本校には明るく元気な生徒が多いので、見学会ではそうした生徒の様子もぜひ見ていってください」と述べました。

　続いて、教育内容について入試広報部長の西田真志先生が説明しました。大きな特徴は中1から英語力によって「DD7」「Advanced7」「Starter7」の3コースに生徒を分けている点です。DD7では、BC州のネイティブ教員が週17コマある英語の授業と、「数学・理科の一部」の授業を担当します。Advanced7では英語の授業は週10コマです。BC州のネイティブ教員が指導するのは英語のみです。両コースに入るには、英検_®2級程度の英語力があると認められる必要があります。一方、初学者中心のStarter7では英語の授業は週9コマで、同校に在籍するレベルの高いネイティブ教員がこのうち7コマを指導します。全コースに共通するのは、グループワークなどによって発信力を高めている点です。西田先生は「Starter7の生徒は中2から、レベル別の『ダブルディプロマ準備コース（DD準備）』と基礎力を徹底する『中高一貫コース』を選択できます。DD準備では、高校から本格的に始まるDDコースに備え、DDの教育メソッドに沿った授業を受けられます。DD準備をめざす生徒は、早朝のコミュニケーション英語の授業を受講することが必要など、条件はありますが、確実に英語力を上げています」と述べ、BC州の教育が受けられるのは上級者のみではないことを強調しました。英検®取得率も好調で、現在の中3は中2終了までに59％が準2級を取得しました。入学時に「級なし」「5級」だった生徒も17名が合格したそうです。

　高校ではGMARCHなどをめざす「進学コース」、国公立大学・難関私立大学をめざす「特進コース」、海外大学や難関私立大学を目標とする「DDコース」の3コース制をとっています。「DDコースへの進学には審査がありますが、今年度は希望者49名のうち、46名が合格しました。そのなかには、入学時にStarter7だった生徒も17名います」と西田先生は言います。中学入学後に英語を本格的に学び始めても、伸びる生徒が多いことが伝えられました。

　STEAM教育に力を入れていることも特徴の一つです。2020年には、1年間に10以上の外部団体と連携する課外活動「STEAMプロジェクト」を立ち上げました。ここでは中1～高3が学年の枠を超えて、メイカー（ものづくり）、社会課題探究、キャリア探究、広報・活動記録に分かれ、チームプロジェクトに取り組んでいます。また、中学の総合的な学習の時間には思考力ワークショップ（中1）やキャリア探究ワークショップ（中2）など、課題解決型のグループ学習を行っています。

　高校のDDコースの進路実績も紹介されました。2023年度のDD卒業生はイギリスの名門・マンチェスター大学をはじめ、14校の海外大学に合格しています。これまでのDD卒業生は155名に達しましたが、約25％が海外大学・短大に、約20％が国公立大学・早慶上理ICUに進学という実績を残しています。

※英検_®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

※1 Science（科学）、Technology（技術）、Engineering（工学・ものづくり）、Arts（芸術・教養）、Mathematics（数学）の5領域を統合的に学ぶ教育手法。

線路側に面した場所には通常授業を行う教室ではなく、音楽室や美術室などを設置。廊下のいたるところに椅子が置かれ、自由に自習も可能です

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