受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

淑徳巣鴨中学校

2023年9月28日(木)

一人ひとりの可能性を引き出す「気づきの教育」で、自己実現へと導く

 社会事業の先覚者であり、浄土宗僧侶の長谷川良信が1919年に創設した社会福祉施設「マハヤナ学園」から発展した淑徳巣鴨高等学校は、当初は女子校でしたが、1992年に男女共学になりました。1996年には中学校を開校し、中高一貫教育を確立しました。「自分を取り巻くすべてのことに感謝し、ご恩返しすること」を意味する「感恩奉仕(かんのんほうし)」を校訓とし、社会に有為な人材の育成をめざしています。

 この日の説明会の冒頭、副校長の目黒桂一先生があいさつに立ち、仏教の教えに基づく同校の教育について語りました。「よく、『自分を大事に』といいますが、これは自分を中心に考えることとは違います。わたしたち大人はつい自分の教育観に子どもを合わせようとします。しかし、子どもが持つ可能性を伸ばすためには、本人が主体的に『気づく』経験が必要なのです」とのことでした。そのため、同校には、生徒一人ひとりの個性を尊重しながらも、自分自身や社会に起こる変化に気づくための“アンテナ”を磨く仕掛けが数多くあります。

 続いて、入試広報部長の石原克哉先生からは具体的な教育内容の説明がありました。すべてのプログラムの根幹にあるのが「気づきの教育」です。生徒は、教員に教えてもらうだけではなく、みずから気づき、興味・関心を深めて、能力を伸ばしていくという考え方です。石原先生は「気づきとチャレンジを繰り返す『気づきの連鎖』によって、一人ひとりの成長を促していきます」と話しました。

 それを実現するためのキーワードが、「2コース制」「探究型学び」「理数教育」「グローバル教育」「サポート体制」の五つです。同校では中学入試の段階で、最難関国立大・最難関私立大をめざす「スーパー選抜コース」と、有名私立大をめざす「特進コース」とに分けて募集を行っています。石原先生は「本校では高校募集も行っていますが、中高一貫生と高校からの入学生とは異なるカリキュラムで学びます。『理数教育』の成果として2022年3月には初めて東京大学理科一類の合格者を輩出しました」と述べました。

 「探究型学び」については、中1では自己を見つめ直してその成果を発表する「自分史ワーク」に、中2では1人1台のタブレットパソコンを使って映像や音楽で学校を紹介する「ムービーワーク」に取り組みます。中3では社会問題をテーマとした卒業論文を執筆し、プロジェクターを用いてプレゼンテーションも行います。探究学習は高3の5月の弁論大会まで続き、6年間かけて思考力・判断力・表現力を養っていきます。

 伝統ある「グローバル教育」としては、中3でアメリカ、高2でイギリスへそれぞれ7日間の修学旅行を実施しています。石原先生は「グローバル教育は、英語教育だけではありません。世界の文化を理解する教育も重視しています。普段からネイティブの教員と日常的に会話できる環境を整え、校外学習や研修プログラムも多く実施しています」と話します。

 「サポート体制」では、日々の学習生活や今後の目標をみずから記録する「チャレンジノート」が紹介されました。この取り組みの狙いは、「やらされることからの脱却」です。同校では「文武両道」を推進しており、生徒は主体的に学習計画を立てるよう求められます。ノートは教員や保護者もチェックするので、コミュニケーションツールとしても役立っているそうです。

 また、学校生活のさまざまな場面で活躍している生徒を表彰する「ほめる教育」も大きな特徴です。石原先生は「本人自身も気づいていなかった強みや個性、可能性を引き出し、自己肯定感を高める効果もあります。『気づきの教育』をはじめとする取り組みの成果として、この5年で中学受験者数が3倍に増加しました。ぜひ学校見学に来ていただき、生徒たちのパワーを感じてください」と結びました。

イメージ写真 JR埼京線「板橋」駅より徒歩10分、都営三田線「西巣鴨」駅より徒歩3分という好立地で、バスも複数の路線を利用できます

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