受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

跡見学園中学校

2023年9月27日(水)

“本物”に自分自身の目と手と心で触れ、人生を選択するための軸を確立する

 跡見学園は、明治時代の教育者であり、画家や書家としても活躍した跡見花蹊(かけい)によって1875年に創設されました。東京で最も古い女子校の一つとして知られ、「ごきげんよう」というあいさつは、今も学校生活のなかで日常的に使われています。説明会の冒頭、学校長の松井真佐美先生は、同校のめざす教育について「予測不可能なことが次々と起きる時代にあって、自分で自分の人生をしっかり選び取れるような“軸”、すなわちみずからの価値観、美意識を持った女性を育てたいと考えています」と語りました。

 これを実現するための学びが「跡見流リベラルアーツ」「本物の美の探求」「探究型創造学習」の三つです。まず「跡見流リベラルアーツ」では、「型を破るにはまず基本の型を身につけることが必要」との考えから、作法や年中行事など日本の伝統的な文化を、実践や発表を交えながら学びます。また、「本物の美の探求」では、6年間を通じて自然・芸術・科学など、あらゆる分野の“本物”に目と手と心で触れます。古典芸能鑑賞、トレッキングシューズを履いての登山遠足、劇場を借り切っての音楽鑑賞などが行われますが、それだけではありません。理科や家庭科の実験・実習、マンツーマンでレッスンを受ける週に1回のオンライン英会話など、ふだんの学校生活のなかにも、実践的な学びの機会が豊富にあります。さらに、東京理科大学や芝浦工業大学、中央大学などと連携しての出張授業や研究室見学なども実施し、生徒の知的好奇心を刺激します。

 宿泊行事を軸に取り組むのが「探究型創造学習」です。中1・2では、社会に目を向けながら自分の興味・関心の対象を知り、それを進級とともに自身の探究テーマとして深めていきます。こうして一人ひとりがそれぞれの価値観や美意識を確立していきます。高校では、みずからのキャリアを設計していけるように、カリキュラムが体系化されています。「本物に触れる体験を通じて友だちと協働しながら、情報を取捨選択し、自分のことばで表現できるようになっていくのです」と松井先生は語ります。

 続いて、入試広報主任の先生からは、日々の学校生活や進路、入試について説明がありました。跡見学園では通常授業のほか、希望者を対象とした放課後プログラムがあります。茶道・華道・筝曲といった日本の伝統文化に触れる講座のほか、ネイティブの講師が担当する英語力養成講座、学習でつまずいている生徒のための指名補習が行われています。

 卒業後の進路については、「本校は、安心して大学入試にチャレンジできる環境になっています」と、併設の跡見学園女子大学への優先入学制度が紹介されました。これは、成績などの一定の基準を満たしている生徒は、同大学への入学の権利を有したまま他大学の受験が認められるというものです。加えて、指定校推薦も500枠以上と豊富にあります。また、入試形態の多様化に合わせて、医療系の学部・学科をめざす生徒には面接ガイダンスや面接練習を、総合型選抜に挑戦する生徒には志望理由書や小論文指導などを行います。このように、受験生一人ひとりの要望に合ったサポートが受けられます。

 最後は入試の説明です。一般入試と特待入試の2種類があります。一般入試は2月1日の午前と2日の午前に実施され、2科・4科の選択制です。特待入試は、入学年度の授業料が半額免除(進級時に再審査あり)となる特待生としての合格のほか、一般合格もあります。この特待入試は選抜方式が複数あり、日程によって異なります。2科・4科の選択制、国語重視型(合格者の40%を国語1科のみで判定)、思考力入試、英語コミュニケーションスキル入試と多彩な方式のなかから、自分に有利なものにチャレンジすることができます。

イメージ写真 キャンパスは東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩2分、有楽町線「護国寺」駅から徒歩8分。自然光が降り注ぐ中央の吹き抜けが、校舎に一体感をもたらしています

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