受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

高輪中学校

2023年9月11日(月)

本質を探究する心を育て、
バランスの取れた人間形成をめざす

 高輪中学高等学校は、『忠臣蔵』の義士たちの墓があることで知られる泉岳寺をはじめ、歴史ある寺社が点在する落ち着いた環境にあります。1885年に京都の西本願寺が創設した普通教校を前身とし、1906年に高輪中学校と名称を変更しました。「自主堅正」の校訓の下、完全中高一貫の男子教育を行っています。

 説明会の冒頭、校長の平野豊先生が教育方針について説明しました。教育理念の「見えるものの奥にある 見えないものを見つめよう」は、「何事も表面だけで判断するのではなく、内面の深い部分に目を向けて、本質を探究しよう」という意味です。これを達成するために、「人を育てる指導」「大学へ進学させるための指導」の二つの教育目標を掲げています。

 「人を育てる指導」では、生徒が社会人として自立するために、基本的な生活習慣の確立と信頼関係の構築を大切にしています。そのために、1学年6クラスを11人の専任教員が担当します。複数の教員が、「手を放して、目を離さず」の距離感で、生徒をしっかり見守るためです。「大学へ進学させるための指導」においては、中高6年分の内容を高2までに学び終える先取り教育を実践し、高3では演習が中心となります。

 平野先生は「校訓の『自主堅正』には、学びを通じて自分を育て、自分を磨いていくという意味があります。本校では、授業・体験学習・部活動の三つの柱で、バランスの取れた人間形成をめざしていきます」と話しました。

「あいさつ・思いやり・協調性」を大切にし、
未来へはばたく人材を育てる

 続いて、教頭の江口崇先生が教育内容を詳しく説明しました。同校では中高6年間を2年ごとに区切り、学習面と生活面の両面においてていねいに指導し、社会人として必要な知識と教養を備えた男子の育成をめざしています。

 中1・2は「基礎学力徹底期」として、「提出期限を守る」「家庭学習を行う」といった基本的な学習姿勢とともに基礎学力を身につけていきます。成績不振者には指名制の補習を行う一方、生活面では公共マナー、身だしなみなどを指導します。中3・高1の「進路決定・学力伸長発展期」には、大学見学や職場見学などを行い、文系・理系の選択に向けて進路への意識を高めます。高2・3の「総仕上げ・進路達成期」には、大学入試に向けて本格的な学習に取り組むとともに、仲間と生涯にわたる絆を築いていきます。部活動や学校行事を通じて後輩の育成にも携わります。

 授業は週6日制で、中学3年間は週34時間のうち半分以上が国語・数学・英語の授業となります。江口先生は「進度が速いため、家庭学習は必須です」と述べました。また、数検や英検®の取得を奨励しており、中3終了時の検定試験取得率は、数検準2級以上が6割超、英検®準2級以上が5割超にのぼるそうです。

 このほかにも、長野県の白樺高原を訪れる自然体験学習(中1)、福島県会津地方の喜多方で行う農工芸体験学習(中2)、沖縄の歴史・文化に関する知識を深める西日本探訪(中3)、全員でオーストラリアを訪問する海外学校交流(高2)などが紹介されました。アメリカ、ニュージーランドで行う希望制の語学研修もあり、海外で学ぶ機会も豊富です。江口先生は「男子の成長には冒険が必要不可欠です。見知らぬ人や文化に触れることが、成長の推進力になると考えています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 都営浅草線・京急本線「泉岳寺」駅、東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪」駅、JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ」駅が利用でき、通学しやすい立地も魅力です

www.takanawa.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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