受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本大学第二中学校

2023年9月15日(金)

伸び伸びと過ごせる環境で多様な価値観に触れ、自己肯定力の高い人材を育成する

 日本大学の2番目の付属中学校として旧制日本大学第二中学校が開校したのは1927年のことです。戦後、新制中学校、新制高等学校となり、女子部を併設(1996年に共学化)しました。そして、1973年に日本大学の特別付属校となり、それ以来、同大学の建学の精神である「自主創造」の下、教育目標に「信頼敬愛・自主協同・熱誠努力」を掲げ、多様な価値観のなかで活躍できる人間形成をめざした教育を実践しています。

 この日、SAPIX代々木ホールで行われた説明会において、広報室長の大木先生は「本校の教育がめざすのは『自己肯定力の高い人材の育成』です。確かな学力はもちろん、社会人としての基礎力も養います」と語りました。

 同校の教育の特徴は基礎・基本を徹底し、「底力」を養うことにあります。中高一貫校でありながら、先取り学習は行わず、振り返り学習に重点を置いているのもそのためです。特進コースやスポーツコースといった区分も設けず、さまざまな仲間との交流のなかで多様な価値観に触れていきます。また、フォローアップの体制も充実しており、英語・数学では成績不振者に対して週2回、「学習点検の時間」という特別授業を実施します。期末試験の後にも、成績不振者を対象とした補習を行っています。先生は「すべての生徒に『授業に集中』『家庭学習』という二つの習慣を定着させようと努めています」と強調しました。

 体験を通じて学習する場として、年間を通じてさまざまな行事を催していますが、なかでも特徴的なのが、中2生を対象とした3泊4日の勉強合宿です。静岡県熱海市の施設で、生徒たちはそれぞれ自習に取り組みます。また、生徒一人ひとりが海外のネイティブ講師と1対1で対話する「オンライン英会話」の体験プログラムもあります。高校受験がないため、早い段階で自己管理能力を身につけておくことはとても重要です。それぞれに合った学習法を中学生のうちに習得できるよう指導しています。

 中高一貫校ならではの進路指導についても説明がありました。英語・国語・数学に力を入れながらも、特定の教科に偏らずにバランス良く学ぶカリキュラムを採用し、生徒が主体的に進路を考えられるように多くの選択肢を与えているそうです。

 学校生活全般を通じて未来を拓く力、生きる力を養う場となるのが、「進路学習プログラム」です。中1は「自分はどういう人間かを考える」、中2は「世の中の仕事について考える」、中3は「自分の将来について考える」というように、学年ごとに目標を設定して実施されます。毎朝の新聞コラム書き写しから始まり、「日本大学理系学部体験学習」(中2)、「卒業研究(SDGsグループ発表など)」(中3)と、段階的にステップアップしていきます。そして、高校では日本大学への内部進学も視野に入れながら、「自己発見(自己理解と職業理解)」(高1)、「進路発見(上級学校理解・進路情報活用)」(高2)、「目標実現(進路選択と進路先への適応)」(高3)を目標に、キャリアガイダンス、大学別ガイダンスなど多彩なプログラムを経験します。将来の目標を定めて、進路を絞っていくためです。

 大学進学実績についても説明がありました。日本大学進学者は毎年卒業生の35%前後で、国公立大学や他の私立大学への進学者のほうが多く、進路は実に多彩です。実際、今春は日本大学への進学者は34%で、3人に2人は他大学を選んでいます。また、日大進学予定者は他大学を受験する生徒への配慮から、高3の11月以降は登校せず、1月からは大学入門レベルの教養講座を受講します。一方、他大学を受験する生徒に対しては、11月の同時期は過去問演習など受験に特化した授業を行い、1月からは家庭学習期間です。

 最後に、大木先生は「本校には中高合わせて約2000名の生徒がいますが、男子も女子も一人ひとりが多様な個性を発揮し、輝いています。中学では自己の確立をめざし、多くの経験や学びの機会を提供しています」とメッセージを送りました。

イメージ写真 広大な敷地には人工芝グラウンドをはじめスポーツ施設・設備が充実しています。理科校舎、芸術校舎など専門教育のための環境も整っています

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