受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

安田学園中学校

2023年9月13日(水)

創立100周年を迎える伝統校。2023年春の現役大学合格実績は過去最高を記録

 安田財閥の創始者であり、幕末から大正時代にかけて銀行・生命保険会社・不動産会社などを興した実業家・安田善次郎翁が創設した安田学園は、「実業界の有用な人物の育成は、社会発展の基礎である」という創設者の信念を実践するため、1923年に開校した東京保善商業学校を前身としています。長く男子校でしたが、2014年に中高ともに共学化されました。難関大学合格をめざしたカリキュラムで指導し、今春も国公立大学に41名、早慶上理ICUに137名が現役で合格しました。その成果は明らかです。

 この日の説明会であいさつに立った校長の稲村隆雄先生は、「今後ますますグローバル化が進む社会を鑑み、本校では2012年から教育目標に『自学創造』を掲げています。生徒がみずから考え学び、創造的学力・人間力を身につけ、これからの社会に貢献できる人材を育てたいと考えています」と述べました。その実現に向けて、これまでは「先進コース」「総合コース」の2コース制だったのが、2023年度入学生から、最難関国立大学への現役合格をめざす「先進コース」に一本化しました。そして、中高6年間を2年ごとに区切った3ステージ制で、成長段階に合わせた指導を実践しています。年齢に応じたステージごとに、めざすべき学習指導の到達点を明示することで、生徒たちがより具体的な目標を持って学習に取り組み、貴重な6年間を有意義に過ごせるようにすることが狙いです。

 先取り学習は従来どおり進めていき、中3の1学期までに中学の範囲を学び終えたうえで、2学期から高校の内容に入ります。同校では「学び力伸長システム」として、中1から高2の2学期まで、自学自習の姿勢を身につけるためのさまざまな取り組みを行っています。たとえば、始業前には英語・数学の習熟度チェックテストを実施し、合格点に達しなかった生徒には放課後に補習を課します。また、定期試験前1週間の「独習ウィーク」には、各自が学習計画を作成して取り組むとともに、定期試験後には振り返りを行い、各学期末の「独習デー」で弱点を克服します。さらに、高2の3学期からは「進学力伸長システム」と称して、放課後進学講座や独習に励む進学合宿などを実施します。高3の授業は志望校群別の演習が中心となるそうです。

 稲村先生は「本校では生徒一人ひとりに寄り添い、きめ細かい学習支援と進路指導を行っています。2023年度は、生徒たちが『Grasp ~夢を摑んで』という学園スローガンを考えました。彼らは夢をかなえるために日々の学習、クラブ活動、生徒会活動などに誠実に取り組んでいます」と結びました。

 続いて、副校長の志田憲一先生が教育内容について紹介しました。同校では、大学受験対策にも十分な「学校完結型の学習環境」を整えています。日々の授業を基本としながら、生徒たちは中高6年間でのさまざまな体験から幅広く奥深い知識を養います。志田先生は「自分でやるべきことを見つけて取り組み、疑問点は教員に質問をして解決していきながら、大学受験を乗り越えていく生徒がほとんどです」と語りました。

 また、「観察→疑問→課題発見→仮説→検証→考察」というサイクルに基づき、思考力・表現力・創造力を磨く「探究プログラム」にも注力しています。野外探究(中1・2)、地域研究(中3)ではフィールドワークに取り組み、興味を持って学ぶことの楽しさを経験します。ここで身につけた情報収集能力・コミュニケーション能力・表現力は、物事を総合的に勘案して解を導く問題が増えている近年の大学入試でも役立つそうです。

 国際化する社会を見据えて、英語教育も重視しています。ネイティブ教員による英会話の授業を多く取り入れるとともに、オンライン英会話を週1回、35分間実施します。「読む・書く・聴く・話す・発表する」の4技能5領域の力を効果的に習得していきます。

 最後に、2024年度入試の変更点について説明がありました。理科・社会の試験時間が従来の合計50分から、各30分となります。詳細は最新の募集要項でご確認ください。

イメージ写真 2023年、創立100周年という節目に制服をリニューアル(写真右側)しました。スラックスも用意されている女子の組み合わせは124通り以上で、多彩なコーディネートが可能。自主性と個性を引き出します

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