受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

流通経済大学付属柏中学校

2023年8月28日(月)

2023年4月、「世界に雄飛する人材」を育成する中高一貫校が開校

 千葉県柏市に流通経済大学付属柏高等学校が開校したのは1985年のことです。それから38年が経った今年4月、高校と同じ敷地内に中学校が誕生し、中高一貫教育がスタートしました。「智識(智慧と見識)の涵養と眞理探求の精神を培い、日本的教養と国際性を身につけながら正義・誠実の心と勇気ある気質を育てる」という教育方針の下、国際社会で活躍できる人材の育成をめざしています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、はじめに、教頭の小山田伸敬先生が充実した教育環境を紹介しました。開校と同時に3階建ての「図書・メディア棟」が完成したとのことです。そこには約5万冊の書籍を有する図書館、ネイティブ教員が常駐する「ENGLISHラウンジ」、大画面の臨場感あふれる映像で海外とつながる「バーチャル留学ルーム」などがあり、STEAM教育やグローバル教育の場として活用されています。

 同校では「グローバルコミュニケーション教育」「ICT共創教育」「流経リーダーシップ教育」の三本柱からなる「未来創造教育」を実践しています。実用的な英語力を磨き、語学で広がる世界を知る「グローバルコミュニケーション教育」では、ネイティブ教員による授業を一日1時間以上行うほか、外部から講師を招いて世界や日本の文化を学ぶ「世界と日本文化」というプログラムなども実施します。そして、中学修了までに全員が英検®準2級以上を取得することを目標にしています。また、シンガポールとマレーシアに行く中3の2月の海外修学旅行では、現地の大学生や中学生との交流、日本企業の海外支社の見学などを予定しています。

 「ICT共創教育」では、ICTを道具として使用しながら探究活動を行い、仲間と共にさまざまなものをつくり出す喜びを体験します。生徒は1人1台のタブレットパソコンを使用し、仲間と協働しながら、STEAM学習「SDGs探究グループ学習」にも取り組みます。

 「流経リーダーシップ教育」では、地域との交流行事や体験学習、部活動などを通してリーダーシップを育みます。流通経済大学との連携を密に図りながら行うのが大きな特徴で、大学にある大型施設「プロジェクト・アドベンチャー」を利用してチームビルディングを学ぶプログラムでは、流通経済大学の教授や学生とかかわりながら、協力することの楽しさや大切さを実体験します。

 中高一貫のカリキュラムの下、適度な先取り学習は行うものの、中3の2学期までは中学課程の内容をさまざまな角度から時間をかけてていねいに指導し、基礎を固めていくのが特徴です。また、クラス編成は、中1・2では学力を均等にし、中3以降は習熟度別で行う予定です。

 部活動は原則として週3日までとし、部活動がない日の放課後には「7限講座」も開講しています。小テストで合格点に達しなかった生徒のための数学補習講座のほか、希望制の英検®講座、第二外国語講座(フランス語・ドイツ語)などがあります。また、質問型の放課後学習システム「流経NEXT」も利用できます。これは、放課後、その日の学習内容について教員と相談し、各自で課題を設定して自習を進めるもの。わからない問題は教員に質問し、その場で解決できるので、自学自習を校内で完結できるとのことです。

 小山田先生は、「本校では、本物に触れる体験を重視し、校外学習や古典芸能鑑賞、美術館・企業・工場見学などの機会を多く設け、流通経済大学が提唱する『実学主義』の教育を継承しています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 約5万冊の書籍を有する「図書・メディア棟」

www.ryukei.ed.jp/junior/ 別ウィンドウが開きます。

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