生徒の希望に合わせた二つのコースで「勉強日本一、部活も日本一」をめざす

　金沢学院大学附属中学校は、7学部8学科を有する総合大学、金沢学院大学の系列校として2022年春に開校しました。「授業、校内塾、寮内学習の3層構造による学習で、基礎学力を徹底的に鍛える」「アクティブ・ラーニング、PBLを取り入れた探究型学習で未来に必要な思考力、探究力、創造力を養う」「SEL（Social Emotional Learningの略で「社会性と情動の学び」のこと）を取り入れ、他者との協働や思いやり、感動する心、そして未来で活躍するためのコミュニケーション力を養う」を教育方針に掲げ、地域社会で活躍できる創造力、コミュニケーション力を養うための「特色ある授業」を展開しています。

　この日のオンライン説明会では、教頭の西念佑馬先生が教育内容を説明しました。今年で創立2年目を迎える同校には、現在、中1・2の2学年の生徒が在籍しています。西念先生は「先日、1期生たちが話し合い、『勉強日本一、部活も日本一』というスローガンを作りました。生徒たちは本気で日本一をめざして、がんばっています」と語りました。

　中学から「特進」「総合」の2コースがあり、カリキュラムはコースによって異なります。最難関国立大学・医学部・難関私立大学への進学を目標に掲げる特進コースでは、週37コマの授業時間を確保し、英語・数学を中心に先取り授業が行われます。進度は速く、中3の1学期までに中学の内容を、高2までに高校の内容を学び終えます。また、放課後や夜間には、学習塾の講師による校内塾を開講します。学校の授業に先駆けて、英語・数学を週に1回ずつ2時間学ぶオンライン講座「超速習塾」と、授業で学んだ内容を補足しながら希望進路に応じた学習プランを進める個別対応型の「速習塾」とがあり、学校と塾が一体となって大学受験を見据えた学力を養成します。

　一方、総合コースでは大学までの10年一貫教育を前提に、週30コマの授業時間数を設定し、バランスの取れたカリキュラムに基づいて、次世代リーダーに必要な深い教養を身につけます。原則として全員が部活動に参加する点も特徴で、選手や指導者として実績のあるトップクラスのコーチ陣が質の高い指導を行い、世界で活躍するトップアスリートへの道を開いています。競技力はもちろん、主体性・社会性・協調性などの人間力や確かな学力も培い、文武両道をめざします。西念先生は「進学先は金沢学院大学だけではなく、東京の有名私立大学にスポーツ推薦で進むことも視野に入れています。現在、多くの部が地区大会を突破して県大会まで進んでおり、バドミントン部と相撲部は県大会で優勝を果たしました」と語りました。

　各コースとも「思考を楽しむ」授業づくりを心がけ、知的好奇心や探究心を引き出すことに主眼を置き、生徒が努力の成果を実感できるようなコーチングをしています。その一環として、探究型・対話型の学びに注力していることが伝えられました。大学の研究室と連携した課題研究活動「KGゼミ」では、地元・金沢の歴史や文化・地域的課題をテーマに、調査・研究・表現へとつなげる実践的な学習法を習得します。このように、金沢学院大学とも連携して多彩な授業を行い、論理的思考力と課題発見・解決能力を高めようとしています。英語ではOC（Oral Communication）で真の英語力を養成します。中学校、高校、大学の国際交流センターとも連携し、複数名のLT（Language Teacher） によるオールイングリッシュの授業を行います。

　中学校舎から徒歩約15分の場所には、3階建ての「中学清鐘寮」があり、現在中1・2の96名が共同生活を送っています。男子寮・女子寮ともに冷暖房・Wi-Fi完備の完全個室で、栄養管理から医療対応まで万全なサポート体制を整えています。学習サポートも充実しており、同校の教員のほか、金沢学院大学や金沢大学医学類の学生が指導します。予習・復習や宿題への質問対応、学力別に選べる特別授業などが受けられます。西念先生は「寮生活を通して自立を促し、他者との協調を学びながら自己管理能力を身につけていくことをめざしています」と述べました。

　最後に、2024年度入試について説明がありました。12月3日に特待入試があるほか、1月7日と1月21日にも、都内に試験会場が設けられます。合格基準となる得点率は、特進コースが70％、総合コースが50％です。入試での成績優秀者には、授業料などが免除される特待生制度もあります。

2024年夏、中高一貫部棟の新校舎が完成する予定です。建物は4階建てで、1階には食堂が、2階より上のフロアに20の教室と職員室が設置されます

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