受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

逗子開成中学校

2023年7月14日(金)

創立当時から続く海洋教育で
生徒の可能性を大きく伸ばす

 東京の開成中学校の分校として1903年に開校した逗子開成は、今年で創立120周年を迎えました。「開物成務(人間性を開拓・啓発し、人としての務めをなす)」という建学の精神の下、独自の海洋教育を実践しています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の小和田亜土先生は、同校で30年以上の教員生活を経て、この春、校長に就任されました。「自由で明るい雰囲気と、明るく伸び伸びとした生徒たちの姿は本校の伝統です。多様なタイプの仲間たちが共存し、好きなこと、やりたいことにチャレンジできる環境が整っています」と話します。

 同校の大きな特色は、逗子の海を利用した海洋教育です。海での実践的な学びによって生徒は大きく成長し、可能性を伸ばしていきます。文部科学省から特別な教育課程として認められている「海洋人間学」では、「ヨット製作と帆走」「遠泳」を行います。「ヨット製作と帆走」では、まず中1の10月から半年かけてヨットを製作します。その後、3年間で4回、海でのヨット帆走実習を行い、さまざまな状況を判断し、対応していく力を培います。また、「遠泳」では、中3生全員が逗子湾内を1.5km泳ぎます。そのため、中1から体育の授業では泳力別の水泳指導が行われ、段階的に泳力を高めていきます。入学時点でまったく泳げなかった生徒も、最後には泳ぎ切ることができるようになるそうです。

好奇心を刺激する土曜講座で
思考力と探究力を深める

 続いて、広報部長の秦健二先生が、動画やスライドを交えながら、教育内容や学校生活の様子について説明しました。

 学習については、6年間の中高一貫教育で自律的に学ぶ姿勢を育てていきます。高2までに高校の内容を学び終え、高3では大学受験を見据えた演習中心の授業を展開しています。家庭学習を一日60~90分行うことを習慣づけるため、「学習の手引き」というスケジュール帳を活用。学習計画、宿題、提出物、クラブ活動の予定などを書き込み、自己管理を促しています。

 好奇心を育み、思考力・探究力を深める課外講座も豊富です。「土曜講座」は、生徒が自由にいくつでも選べるのが特徴で、これまでに、青銅鏡作り、マウスの解剖、モスク訪問、登山など多種多様な100以上の講座が開講され、生徒の視野を広げる機会となっています。

 全員が参加する国際交流プログラムには、ニュージーランド研修旅行(中3)、アジア研究旅行(高2)があり、英語力の向上を図るとともに、世界につながる力を身につける場となっています。

 秦先生は「構内のベンチでは、いつも教員と生徒が面談をしているくらい、生徒と教員の距離が近い学校です。体育祭、映画鑑賞などのイベントも多くあります。逗子開成で、時間を忘れて夢中になれる経験をしてください」と結びました。

 2024年度入試については、日程にも出題の傾向にも、大きな変更はないとのことです。

イメージ写真 構内のいたるところにベンチが設置されているため、生徒と教員がいつでも面談できます。宿泊施設を有する海洋教育センターも併設しています

www.zushi-kaisei.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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