受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

青山学院中等部

2023年7月12日(水)

多様な才能を持つ人と出会い
生まれながらに持つ「賜物」を磨く

 明治時代初期にアメリカのメソジスト派の宣教師たちが創設した学校を源流とする青山学院は、プロテスタントの教えに基づく全人教育を行っています。

 説明会の冒頭、中等部部長の上野亮先生は、キャンパスがある渋谷の変化に触れながら「国内外のトップ企業がオフィスを置き、常に新しいものを生み出すパワーに満ちあふれた街に位置する本校の広大な敷地には、幼稚園から大学院までがそろい、たくさんの留学生や研究者がいます。性別・年齢を超えたさまざまな才能を持つ人々と出会える環境は、生徒たちを自由でクリエイティブな人間へと成長させます」と語りました。

 続いて、同校の教育の特徴を二つのキーワードで表しました。一つ目は「キリスト教に基づく愛と奉仕の精神を持って、社会に貢献する」です。「礼拝と聖書の学びを通して、神を畏れ、人を大切にする心を育てる」という教育目標を掲げる中等部では、毎日、2時限と3時限の間に行われる礼拝堂での15分間の礼拝、週1回の聖書の授業、自主的な奉仕活動、季節ごとの宗教行事などを通じて、キリスト教に基づく愛と奉仕の精神を涵養しています。上野先生は「人は生まれながらに賜物(かけがえのない才能)を授かっています。人生の基礎を築く大切な時期だからこそ、生徒には、自分だけの賜物を探し、磨き上げ、社会に貢献する方法を考えてほしいと考えています」と語りました。

 二つ目は「長期的な将来を見据えた教育」です。中等部の卒業生は隣接する高等部を経て、およそ87%が青山学院大学に進学します。そうしたなか、同校では大学受験をゴールとせず、速さよりも深度を重視した学びを実践しています。校外学習・学校行事・国際交流など、生徒たちは興味・関心のあることに打ち込み、「みずから考え、判断し、表現する力」を培っているとのことです。

「教科センター方式」を採用した校舎
主体的に学ぶ姿勢と考える力を養う

 教育内容については、広報委員の青野拓朗先生が説明しました。1学年約140名のうち、初等部からの内部進学者は約半数です。中1では1クラスが32名前後で、男子と女子、内部進学者と中学からの入学者の割合がそれぞれ同じ程度になるよう調整しています。

 特徴的なのは、2017年に現校舎が完成したのを機に採用された「教科センター方式」です。これは、音楽、美術、理科実験だけではなく、英語や数学など全教科に専用の教室を設け、生徒は教科ごとにそこに移動して授業を受けるシステムです。そのメリットについて青野先生は「必要な資料や機材がそろった教室に移動するので、積極的・主体的に学ぶ姿勢が芽生えます。課題やレポートを展示できるスペースも十分に確保でき、ほかの生徒の学び方や考え方を知る機会にもなります」と話しました。

 一方、50年以上続けられているのは、毎年20以上の講座が設けられる選択授業(中3次・週2時間)です。ソーシャルイノベーション入門、発展的な理科実験、韓国語など、生徒の興味・関心を引き出し、視野を広げる機会がたくさん用意されています。

イメージ写真 各教科が専用のゾーンを有し、専用教室、メディアスペース、教科準備室を隣接させた「教科センター方式」を採用した校舎

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