受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協埼玉中学校

2023年7月19日(水)

文武両道と体験型の学びで「自ら考え判断し、行動することのできる若者」を育てる

 東京・文京区にある獨協中学校・高等学校の兄弟校として、埼玉県越谷市に獨協埼玉高等学校が開校したのは1980年のことです。2001年に中学校が開校し、中高一貫教育が始まりました。約8万㎡の広大なキャンパスには、図書館棟、二つの体育館、サッカー兼ラグビー場、野球場、テニスコートなどの施設がそろい、学業はもとより、体験型学習や部活動にも打ち込める環境が整えられています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、副教頭の酒井直樹先生は、同校の教育理念である「自ら考え判断し、行動することのできる若者を育てる」に触れ、「人間形成において大切な時期である中高の6年間は、大学受験のための学習のみに偏らず、さまざまな経験を積むことが必要です。それを通じて、バランスのとれた人格を養うべきだと考えています」と語りました。

 同校では、中学・高校入学時から習熟度別クラスを設けたり、希望進路別のコースに分かれたりはしません。それは、すべての生徒に学習も部活動もがんばってもらいたいからです。酒井先生は「多様な価値観があることを理解し、『何のために学ぶのか』『自分は何がしたいのか』を考える姿勢を培い、自立した社会人になってほしいと願っています」と説明します。そのため、完全週6日制で十分な授業時間を確保していますが、「あえて先取り授業は行わず、深く考える時間を多くとっている」とのことです。

 生徒の「わからない」を見逃さない指導も徹底しています。始業前10分間の朝学習では、単元ごとの小テストを行い、ここで合格点に達しなかった生徒には指名制の放課後補習が課されるほか、定期試験前にも補習授業が実施されます。また、長期休暇中にも希望制の特別講習が開講されています。

 社会に目を向ける体験型学習にも力を入れています。たとえば、中1の「稲作体験」では、近隣の田んぼを借り、農家の方の指導の下、田植えから稲刈りまでの米作りの過程を学びます。中2では、キャリア教育の一環として外部の講師による講演を聴く「キャリア教育」、中3では、福祉や介護についての講義や実習を受ける「福祉体験」など、実体験を盛り込んだ総合学習を通して、生徒の知的好奇心を刺激しています。酒井先生は「どの科目においても、事前調査とレポート作成がセットになっており、深く考え、誰かに伝えるまでの学びを徹底しています。稲作体験一つをとっても、生長の過程を観察し、収穫したお米を食べることで、農業、栄養学、日本の食文化など、さまざまな分野への興味・関心が広がります」と話します。

 このほか、ネイティブ教員による少人数制の「オーラル・コミュニケーション」、インプットを繰り返しアウトプットにつなげる「5ラウンドシステム」、英語小論文の書き方を学ぶ「Essay Writing」などで、実用的な英語力を鍛える体制も整えられています。さらに、英語漬けの2泊3日を過ごす「イングリッシュキャンプ」(中2)や、日本に留学している大学生を交えてディスカッションやプレゼンテーションを行う「グローバルスタディーズプログラム」(高1)のほか、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを訪れる希望制の海外研修プログラムもあります。

 高2からクラスは文系と理系に分かれます。さらに高3では、高校からの入学生も合流し、国公立大学志望者を対象とする「文系Ⅰ」「理系Ⅰ」、私立大学志望者を対象とする「文系Ⅱ」「理系Ⅱ」、そして内部推薦による獨協大学への進学を希望する者を対象とする「獨協コース」に分かれます。高大連携プログラムを導入した「獨協コース」では獨協大学進学後を見据え、プレゼンテーションやグループディスカッションなどを授業に取り入れています。内部推薦は、各学部・学科の成績基準を満たしたうえで、獨協大学教授の指導の下、30冊分の読書記録と1万6000字以上の卒業論文を完成させることが条件です。獨協医科大学医学部へは、獨協埼玉高校と獨協高校を合わせて約10名の推薦枠が用意されています。

イメージ写真 体育祭や蛙鳴祭(文化祭)といった全校を挙げての行事は委員会が中心となり、生徒主体で運営されます。選択制の第2外国語として、高校からドイツ語も履修できます

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