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学校説明会レポート
静岡聖光学院中学校
2023年7月31日(月)
「20世紀型の学び」と「21世紀型の学び」を両立させ、自分自身で生き方を創造する力を育てる
神奈川県の聖光学院と同じキリスト教教育修士会をルーツに持つ静岡聖光学院は、静岡県内で唯一の中高一貫男子校です。校訓に「Be Gentleman(紳士たれ)」を掲げ、カトリックの教えを基盤とした教育を行っています。駿河湾や富士山を一望できる丘の上のキャンパスには二つの生徒寮があり、県外からも入学者を集めています。
この日のオンライン説明会では、教頭の田中潤先生が同校の特色について説明しました。創立以来、生徒の個性を大切にした教育を実践し、他者や社会に貢献できる人材を育ててきたと言う田中先生は、訓育目標の「快活と素朴、思慮深い心、探究心に基づく緻密さ、真摯な態度」を紹介し、「6年間の教育の先に、自分自身で生き方を創造できる生徒を育てたいのです。生徒が希望する道に進めるよう、学びに天井をつくらないことも大切だと考えています」と述べました。
同校では、「これからの予測困難な社会を生きる生徒たちにとって、必要な能力を身につけさせたい」という考えから、多くの知識を得て定着させる「20世紀型の学び」と、それらをアウトプットして活用する「21世紀型の学び」の両方を重視しています。各教科の授業は、性質の異なる三つの要素「Ideas(アイデア)」「Connections(つながり)」「Extensions(応用)」によって構成されているのが特徴です。たとえば、中2の理科の「気圧」では、「10mのストローでオレンジジュースを吸うことができるか」というテーマに取り組みます。講義で基礎的な知識を得た後、生徒たちは自分なりに仮説を立てて実験を行います。教室の窓から外に垂らした10mの長いストローを使って、実際にジュースを吸ってみるのです。「気圧に関する知識を用いながら身近な現象を検証し、さらには、それを使って学ぶ意義について考える授業の一例です。そうすることによって、学習内容がより深く定着していきます」とのことです。
学習支援では、AIが生徒一人ひとりの苦手分野と得意分野を解析します。個別最適化された問題が次々と課される「アダプティブ・ラーニング」が、英語・数学の朝学習、日常的な授業、長期休暇中に開講される各種講習などで実施されています。それにより、生徒は苦手をつぶし、得意なところをさらに伸ばしていきます。また、「ASG(After school Special Guidance)放課後学習サポートシステム」を導入し、中1~高1の寮生と通学生の希望者を対象に、週2回の個別学習支援を行っています。専門職員によるサポートを受けながらAIを用いたオンライン学習教材を使用し、自分のペースで学習を進めていくとのことです。
科学・技術・工学・リベラルアーツ・数学を教科横断的に学ぶSTEAM教育にも取り組んでいます。STEAMが課題解決のためのツールとして活用されるよう、プログラミングを学んでホームページの作成、ロボット制御、ゲーム開発にも挑戦します。
そして、授業で身につけた知識やSTEAMのスキルをフル活用して取り組む探究活動が「Project」です。中学では探究の仕方を学んだ後、生徒はそれぞれ興味・関心のある領域のゼミナールで課題発見・解決の経験を積んでいきます。高校ではさらに専門性を深めて課題解決に向けた論文を作成し、高3ではそれをもとに大学の学校推薦型選抜や総合型選抜にも利用します。
英語については、「多読多聴」を通して良質かつ大量のインプットを行います。アウトプットの機会としては、オンライン英会話、海外交流、英語による探究学習などがあり、これらを通して4技能を伸ばします。また、イギリスの大学入学資格「A-Level」が取得できるカリキュラムも導入しました。これにより、海外大学への進学に必要な英語力と大学入学資格の両方を得ることができるそうです。
最後に、寮についても説明がありました。寮のメリットは、「アダプティブ・ラーニング」による自習と、友人と学び合う「リビング・ラーニング」の良さを取り入れることによって学習効率をさらに高められる点です。現在、寮をより快適な空間にするためのリノベーションが行われているそうです。田中先生は「高台に位置する本校は、食堂や浴室からも静岡市内が一望できるようになり、より明るくより機能的な場所へと生まれ変わりました。また、食堂に備えつけられた大型スクリーンにはCNNやBBCなどの海外ニュースを流し、日々動き続ける国際情勢を生徒たちが敏感に知ることができる機会を増やしました」とも話しました。
リノベーションした食堂での晩礼の様子です
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