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学校説明会レポート
東京学芸大学附属国際中等教育学校
2023年7月27日(木)
多様で異なる人々と共生・共存し、国際社会で活躍できる生徒を育てる
東京学芸大学附属国際中等教育学校は、東京学芸大学の附属校では唯一の中高一貫校です。2007年に、附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎が統合・再編されて誕生しました。この日のオンライン説明会の冒頭、校長の荻野勉先生が「本校は、国際化がますます進む世界のなかで、多様で異なる人々と共生・共存しながら活躍する力を持った生徒を育てる学校です」とあいさつしました。
同校の最大の特徴は帰国生、外国籍の生徒の割合が高いことです。入学時点で約30%ですが、半期に1度帰国生を受け入れるので、6年生(高3)では約50%に増えます。帰国生のためのクラスは設置せず、すべてのクラスに海外経験を持つ生徒が在籍しています。また、同校は、国際バカロレア中等教育プログラム/ディプロマプログラム認定校、ユネスコスクール加盟校、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、ワールド・ワイド・ラーニング(WWL)被提供校でもあります。荻野先生は、国際バカロレア(IB)認定校としての取り組みについて、授業を中心に詳しく説明しました。
まず、1~4年生(中1~高1)は全員が中等教育プログラム(MYP)を受け、最後にパーソナルプロジェクト(PP)と呼ばれる論文を提出します。5・6年生(高2・3)になると、一般プログラムとディプロマプログラム(DP、文系のみ)に分かれて学びます。このうちDP生は約130名のうち15名程度です。6年生で行われる世界共通の最終試験では、DP生全員が世界平均を上回る優秀な成績で合格しているとのことです。
次に、IBを支える教育原理「探究を基盤とし、チームワークと協働を重視する指導」について説明がありました。IBの授業はグループ学習、ディスカッション、ディベート、プレゼンテーションなどが中心です。テキストはありますが、テーマは「美しさ」「変化」「関係性」など16の抽象概念を起点として、各教科の先生が設定します。探究する問いを決めてから、最適なテキストを選定するのです。このような「概念理解に重点を置いた指導」を行えば、学んだことをほかの状況にも応用できるようになるのです。
同校の取り組みの一例としては、自己管理・リサーチ・思考などの能力を磨く「ジャーナル(日記)」があります。荻野先生は、帰国生ではない2年生が英語でノートにびっしりと書いたジャーナルの画像を投影しながら、「文法的なミスを細かく指摘するようなことは避け、一人ひとりのコミュニケーションの意欲を高めることに重点を置いて指導しています」と話しました。
一方、1~3年生の「英語『で』学ぶ授業」は、言語学習を目標とするものではありません。身近な問題から世界規模の問題までを幅広く学習します。さらに「イマージョン授業」では、1年を通して数学・社会・理科・美術をすべて英語で学びます。そして、MYPの集大成となるPPでは、自分の興味・関心を科学的に突き詰め、「探究から研究へ」を実践します。このほか、グローバル部門とサイエンス部門の2部門に全学年の生徒が自由にエントリーして、個人研究または共同研究の成果を発表する「ISSチャレンジ」もあります。
普段の通学は私服ですが、始業式や終業式などの式典では紺色ブレザーに学校指定のエンブレムやネクタイを着用します。スマートフォンの扱いについては、1~3年生は教室への持ち込みが不可となっているため、ロッカーに保管しています。
卒業生は、ハーバード大・コロンビア大・イェール大・ミネルバ大などの海外大学にも数多く進学しています。さまざまな職業や学問を知る機会が多く、海外大学向けの進路説明会が充実しているからこそです。そのための英語力について荻野先生は、「入学時点ではまったく必要ありません。間違いを恐れずやり抜く子であれば、在学中にしっかり育成されます」と話しました。
運動施設も充実しており、二つの体育館のほか、武道場・ターフグラウンド・多目的コート・球技コートなどがあります
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