受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

盛岡白百合学園中学校

2023年7月25日(火)

自然豊かなマリア寮で充実した6年間を過ごし、協調性と自主性を培って社会に飛び立つ

 1892年にフランスのシャルトル聖パウロ修道女会によって設立された盛岡白百合学園は、カトリックのミッションスクール「白百合学園」の全国に7校ある姉妹校の一つで、岩手県の女子教育、グローバル教育の先駆けとして知られます。「従順」「勤勉」「愛徳」の校訓の下、キリスト教の教えに基づく全人教育を通して、社会に貢献できる女性を育てています。

 校舎のある岩手県盛岡市は、東京から新幹線で約2時間10分の場所にあります。この日のオンライン説明会では、教頭の菅原浩先生が、盛岡の豊かな自然や観光名所、食べ物などの魅力をまず紹介しました。8月に行われる「盛岡さんさ踊り」には、同校の有志の生徒が参加するそうです。

 盛岡駅からバスで約15分の小高い丘の上にある同校は、中学の入学定員が80名、高校の入学定員が240名の中高一貫校です。中学は、難関大学進学をめざす生徒を対象とする「アドバンスコース」と、ていねいな指導で基礎学力を定着させる「スタンダードコース」の2コース制となっています。コースは中学入試の結果によって決まり、アドバンスコースには学年全体の約3分の1が在籍します。コース入れ替えのチャンスは中学3年間で数回あるため、生徒は互いに切磋琢磨しながら学びます。高校では随時、全国模試を受けて自分の位置を確認しながら、志望する進路の実現をめざします。

 中高大連携事業による、教科学習以外の取り組みも盛んです。白百合女子大学のほか、地元の大学とも連携し、数学などの特別授業や、「サイエンスカフェ」という理科実験の講座を実施しています。

 英語教育やグローバル教育については、さまざまな工夫をしています。校内行事としては、「Summer Teaching Program(STP)」という、上智大学の学生を招いて行う3日間の英語プログラムが毎年あります。県内在住の外国人講師による異文化体験プログラムや少人数習熟度別レッスン「白百合English Camp」も実施されます。このようなさまざまな取り組みを通して、生徒たちは英語の楽しさに触れながら、アウトプットする力を養っていきます。また、放課後に英語の学習支援を行う「English café」では、外国人講師からプライベートレッスンが受けられると生徒に人気です。個人のニーズに応じたきめ細かい内容で、英検®対策、英語でのプレゼンテーションやスピーチコンテストの指導などが含まれます。

 グローバル教育では、今年度からオーストラリアへのターム留学制度を導入しました。中3の1~3月に公欠扱いで留学できるのが特徴で、岩手県の学校では初の試みとなります。さらに今年度から、文部科学省が推進する高校生のためのグローバル人材育成事業「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」の事業連携校となりました。菅原先生によると、「WWLでは、新しい時代のグローバル人材を育成する取り組みが大いに期待されています」とのことでした。

 最後に、寮について説明がありました。校舎から徒歩約7分の場所に「マリア寮」があり、現在は約30名の生徒が共同生活を送っているとのことです。朝6時に起床し、点呼、朝掃除をしてから登校します。夜7時30分から9時までは義務学習の時間と定められており、教職員のサポートの下、各自の課題に取り組みます。菅原先生は「首都圏出身の生徒は6年間をマリア寮で過ごしますが、その多くは卒業後、首都圏の大学に進学します。寮生活のなかにはすばらしい学びがあります。キャンパスツアーや個別相談会の機会に、ぜひご見学ください」と話しました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 校舎は「都市景観賞」を受賞した美しい外観が魅力です。自然に囲まれた敷地には、1000人を収容できる白百合ホール、チャペルのほか、5面のテニスコートなどの運動施設があります

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