受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鎌倉女学院中学校

2023年7月12日(水)

世界に貢献できる知的で洗練された女性エリートを育成

 「宗教色を帯びず、不偏中立の立場で、堅実な女子を養成し、日進の新知識を授けたい」という理想の下、漢学者の田辺新之助によって鎌倉女学校が創立されたのは1904年のことです。戦後は鎌倉女学院中学校高等学校となりました。しっかりとした自己を持ち、物事の本質をわきまえて社会に貢献できる人となることを意味する「真摯沈着」を校訓とし、国際理解教育、ICT教育、環境教育、日本の伝統文化の理解に積極的に取り組んでいます。

 説明会の冒頭、この4月に校長に就任した大野明子先生が登壇し、「『生徒指導』から『生徒サポート』へと教員の意識改革に取り組んでいます。生徒が主体性をより一層発揮し、成長していけるよう、わたしたちがなすべきことを捉え直しているところです」と述べました。

 同校では、社会において新たな価値を創出できる力の涵養を目的として探究プログラムを実施しています。課題発見から情報の収集・整理・分析、解決策の思考・討論・考察・発表までのプロセスを繰り返しながら、中高6年間で系統立てて段階的に学びを深めていきます。その一環として取り組んでいるのが中学での「鎌倉学」で、鎌倉の地をフィールドに、自然・産業・歴史・文学について体験を通して学びます。その文化のルーツである奈良・京都へとフィールドを広げて日本の文化を捉え、次の学びへとつなげていきます。中3の「環境」では、自然科学の分野に視野を広げ、高校ではグローバルな課題に目を向けた「国際・環境学」が始まります。大野先生は「複数の大学とも連携して、進路の幅を広げています。鎌女で得た知識・技能・体験が、教科の枠を超えてつながり、それを使って、新たな価値を創り出すことができる人となっていきます。それこそが今後の社会で必要な力となります」と締めくくりました。

 次に、英語科の斎藤里香先生が登壇し、英語教育の特徴について説明しました。同校では「Communicative」「Global」を柱として高い英語力を養い、世界に貢献できる人材の育成をめざしています。中1から4技能5領域をバランスよく伸ばす方針で、「英語で英語を学ぶ」学習にも熱心です。授業では、復習テスト→新出事項の聞き取り・口頭確認→文字での確認→口頭練習・自己表現→宿題のサイクルを繰り返し、インプットとアウトプットの練習を積み重ねて、着実に力をつけていきます。通常授業以外にも、鎌倉にやってきた外国人観光客への英語でのインタビュー、英語での観光ガイド、英語劇の鑑賞など、さまざまな活動を行っています。また、中3でのニュージーランドターム留学、アメリカの姉妹校との交流など、国際交流プログラムも充実しています。英検®の受検も奨励しており、生徒の9割以上が卒業までに2級を取得しています。最近では準1級を取得する生徒も約3割います。これについて斎藤先生は、「今後は高校卒業までにより多くの生徒が準1級を取得することをめざします」と話します。

 続いて、数学科の梅澤佑果先生が中高6年間の授業の流れを紹介しました。先取り学習を導入している同校では、中2までに中学の内容を学び終え、中3で高校の数学Ⅰに入ります。また、小テスト・単元テスト・定期テストを頻繁に行い、目標に達しなかった生徒には理解するまで何度でも追試や補習を行うなど、きめ細かくフォローしています。高1からは習熟度別授業となり、高3の理系コースでは数学が毎週8コマとなります。

 最後に、中学2年主任の袴田久美子先生が同校の学習スタイルについて、「グループワークや発表といった参加型の授業が多いので、主体的に物事に取り組む姿勢が自然と身につきます。なかには模擬国連の全国大会に出場した生徒もいます。将来の科学技術の担い手になりうる高校生を対象とした東京大学の『グローバルサイエンスキャンパス』のメンバーに選ばれた生徒もいました。このように本校の生徒は、校外の活動にも積極的に参加しています。ご来校の際は、その生き生きした様子をぜひ感じ取ってください」と語り、説明会は終わりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 創立者で漢学者でもある田辺新之助の号「松坡」にちなんで「松坡軒(しょうはけん)」と名づけられた広間や、四畳半の小間を備えた和室などがあります

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