受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田大学系属早稲田実業学校中等部

2023年7月7日(金)

ほぼ全員が早稲田大学に進学
生徒の面倒を熱心に見る学校

 1901年に大隈重信によって設立された早稲田実業学校は、早稲田大学とは異なる学校法人が運営する系属校です。現在は、都内にある早稲田大学付属・系属校のなかで唯一の共学校でもあります。

 SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育情報センターの広野雅明先生による入試解説から始まりました。広野先生は、さまざまなデータから同校の中学入試を振り返ると、「特定の教科の出来不出来によって合否が分かれたというよりも、すべての教科でまんべんなく得点を積み上げた受験生が合格を手にしたという印象です。苦手をそのままにせず、4教科をバランスよく学習することが合格の鍵になります」とアドバイスしました。

 続いて登壇したのは、中等部教頭の鈴木雅隆先生です。「見た目よりも中身を充実させることが大事である」という意味の校是「去華就実」と、他者・自己・事物を敬う姿勢の重要性を説いた校訓「三敬主義」に触れ、「地道にこつこつ努力できる、思慮深く謙虚な生徒を育てたいと考えています」と教育方針を語りました。

 次に、最大の特色として挙げたのは、「卒業生のほぼ全員が早稲田大学へ推薦で進学できること」です。早稲田大学の付属・系属校はほかにもいくつかありますが、「本校は、受験勉強に追われることがないので、のんびりした校風です。とはいえ、制服はありますし、生活指導もていねいに行います。卒業後の進路は保証しつつも、生徒の面倒を熱心に見る学校だとお考えください」と、他校との違いを説明しました。

海外に目を向ける機会が豊富
地域と密接した探究活動も実践中

 学習面の特徴について、鈴木先生は「すべての教科において基礎力の定着を徹底し、早稲田大学に進学するにあたって恥ずかしくない学力の獲得を目標にしています」と述べました。なかでも英語には力を注ぎ、中2から習熟度別授業を取り入れて4技能をバランスよく磨いています。また、イギリスのラグビー校で1年間学ぶ留学制度や、海外で単独研究旅行をしようとしている高等部生のなかから、計画が優れている者に補助金を出す「寺岡静治海外交流補助資金」など、生徒の目を海外に向けるためのさまざまな試みも紹介されました。

 同校は探究活動も重視しており、中1は「疑問の探求」、中2は「精査と創造」、中3は「論の構築」を目標に、学校のある国分寺市と関連する課題を深く掘り下げます。鈴木先生は「探究活動は、学びに向かう力を育むうえで非常に有用です。今後も多彩なテーマで展開していきたいと考えています」と意欲を見せました。

 そして、早稲田大学へは、高校3年間の成績と高3の学力テストの点数により、内部推薦の可否が判断されます。そして、高3の1月から、内定した学部の学問に先取りして触れます。

 最後に、2024年度の中学入試について、配点・時間とも例年どおりの実施が予定されていることを伝えた鈴木先生は、「ぜひ、皆さんの挑戦をお待ちしています」と結びました。

イメージ写真 約5万5000㎡の広々としたキャンパスには、人工芝グラウンド、可動床を備えたプールなど、充実した施設がそろっています

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