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学校説明会レポート
桐光学園中学校
2023年7月4日(火)
男女別学の良さを生かした教育で、多彩な進路を実現
1978年に高等学校を、1982年の中学校を開設した桐光学園は、野球、サッカー、バスケットボール、水泳の強豪として知られる文武両道の進学校です。当初は男子校でしたが、1991年に女子部が開設されました。校舎を男子と女子とに分け、通常の授業は男女別で、行事や委員会活動は男女合同で行う「男女別学教育」により、それぞれの特性を生かした指導を実践しています。
説明会の冒頭、副校長の今井雅也先生は、「他者との関わりの中で自己を高めていこう」「失敗を恐れず失敗から学んでいこう」「一生続けられる好きなことを見つけよう」という三つの教育ヴィジョンを紹介し、「現代社会においては、正解のない問題がたくさんありますが、それらに取り組んでいくために、本校では生徒たちが主体となって学習する姿勢を重視しています」と語りました。
その代表的な取り組みが「TOKO SDGs」です。これは、国連で採択されたSDGsを参考に、生徒と教員が一緒に作り上げた同校オリジナルのプロジェクトで、「幸せ」「豊かさ」「生と死」「善と悪」など、中高生にとって身近な17の課題について理解を深めていきます。生徒有志で組織される「SDGs委員会」が、テーマに基づくプログラムを発案し、フィールドワークやディベートを行います。このように、生徒が主体となって問題提起し、その解決につなげるような実践的な学びを展開しています。
続いて、入試対策部長の安達員博先生は、同校の特徴である「男女別学」「二人担任制」「多彩な教育プログラム」について、具体例を交えながら紹介しました。一つ目の「男女別学」こそが同校の最大の特色です。使用する教材やカリキュラムは男女共通ですが、異なるのは「アプローチの仕方」です。安達先生は「男子には初めにゴールを見せ、その後にプロセスを補足する方法が有効ですが、女子にはゴールまでの過程を一つずつていねいに説明するほうが理解につながります」と述べ、それぞれの特性や発達段階に合わせた方法で授業を進行できる別学教育の強みを強調しました。その一方で、文化祭や体育大会などの学校行事、放課後のクラブ活動、生徒会活動、委員会活動は男女合同で行われるため、性別を超えて他者を理解し、協働する力を身につけることもできます。安達先生は「別学校と共学校の良さを兼ね備えた学校です」と説明しました。
二つ目の「二人担任制」とは、中学3年間は1学年につき男子6クラス、女子4クラスという編成で、各クラスに担任・副担任を置くというシステムのことです。女子クラスでは、2名の担任のうち必ず1名は女性教員が担当し、生徒が気軽に相談しやすい環境づくりに努めています。また、担任団は6年間持ち上がりのため、生徒や家庭との連携を密にした学級運営が可能とのことです。
三つ目の「多彩な教育プログラム」については、「ミシンで甚平を縫おう」「刑事裁判を知ろう」など、生徒の知的好奇心を刺激するテーマを設定した「土曜ユニーク講習」や、ノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏、ジャーナリストの池上彰氏、音楽家の坂本龍一氏など、さまざまな分野の第一人者を招いて行われる「大学訪問授業」などが紹介されました。また、19日間のイートンカレッジサマースクール、オーストラリアまたはニュージーランドに約3か月滞在するターム留学、世界から注目される「High Tech High」の授業を盛り込んだサンディエゴでの研修などもあり、国際交流の機会が充実しています。
文武両道を掲げる同校では、クラブ活動も盛んです。「運動部が有名ですが、実は文化部も活発です」と安達先生が話すとおり、文化部は31団体と充実しており、20団体の運動部より数が多いのです。特に競技かるた部、合唱部、文藝部などは全国大会レベルの実力を誇るとのことです。
最後に、今春の大学入試結果がスライドに映し出されました。国公立コースを卒業した353名のうち83名が国公立大学に現役合格を果たし、医学部医学科にも23名が合格しています。安達先生は高3では美術大学志望者向けの講座も設置されていることに触れ、「歴代の卒業生たちは、美術大学や音楽大学といった芸術系の大学も含め、多彩な進路を実現しています。どんな希望でもかなえられるよう、手厚くサポートしていますので、ぜひ安心して入学してください」と締めくくりました。
図書館は6万1000冊の蔵書を誇り、放課後は生徒たちでにぎわっています
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