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学校説明会レポート
共立女子中学校
2023年6月22日(木)
多様性に富んだ環境の下、個性を発揮して他者と協働できる女性を育成
共立女子中学高等学校の前身は、「女性が自立し、社会人として職業に就くこと」を目的に、1886年に設立された共立女子職業学校です。その校名は、実業家や教育者など34名の先覚者が発起人となり、“共同して創立”されたことに由来しています。
説明会の冒頭、同校の卒業生でもある校長の前田好子先生があいさつに立ち、「誠実・勤勉・友愛」の校訓の下、時代を超えて“輝き、翔ばたく女性”を育てることが教育方針であると述べました。校訓の「誠実」は「心をつくし自己を律すること」を、「勤勉」は「努力し何事にも意欲的に取り組むこと」を、「友愛」は「他人の痛みを知り、思いやりを持って周囲の人々に接すること」を意味しています。また、昨年度から新たな教育目標として「共立リーダーシップ」が加えられました。これは、限られた人が引っ張っていく従来のスタイルではなく、一人ひとりが個性を発揮しながら他者と協働する、21世紀型のリーダーシップを指しています。それができる能力を育てるために、中1から探究学習に取り組み、グループワークなどを通じて「関わる力」「動く力」「考える力」「解く力」を磨いていきます。
これについて前田先生は「本校は1学年に8クラスがあり、約320人もの生徒が在籍する『東京でいちばん出会いの多い女子校』です。多様性に富んだ環境のなかで、さまざまな活動に取り組み、自分の強みを出していけば、“協力する姿勢”が自然に身についていきます。人と関わることに興味があるお子さんは、ぜひ入学してください」と語りました。
次に、広報部副主任の菊地裕文先生が、学校概要について説明しました。宗教色のない同校の精神的支柱となっているのが「礼法」の授業です。日常の礼儀作法から冠婚葬祭マナー、日本の伝統的なしきたりまでを、中1~高2でしっかり学びます。「礼法」で身につけた素養は、大学受験での面接や実社会でも生かされているそうです。
大学進学については、共立女子大学に特別推薦枠を使って進学する者は約10%にとどまります。残りは外部の大学進学をめざし、国公立大学・医学部・GMARCHなどへの進学者もかなりの数に上ります。
広報部副主任で理科担当の坂本彩子先生からは、理科教育に関する説明がありました。中学3年間を通して理科の授業は週4コマあり、そのうち半分が実験に費やされています。顕微鏡は1人につき2台あり、中1ではガスバーナーの使い方を学ぶとともに、双眼実体顕微鏡を使用した花の観察なども行います。実験レポートを作成する際には顕微鏡で撮影した写真を使用し、1人1台のiPadを使ってデータをまとめ、デジタル形式で提出します。高2以降に理系を選択した生徒は理科の授業数が週8コマ以上にもなり、高3の化学演習では、教科書に掲載されているすべての実験を実際にやってみます。
長期休暇中には希望者が参加できる解剖教室が開かれ、ブタ・ウシ・ニワトリなどの内臓を解剖して体のしくみを理解します。この教室に参加して、医療分野への適性に気づく生徒も多いそうです。
東邦大学理学部と中高大連携協定を結んでいるため、高度な実験も可能です。たとえば高3では同大学から機材を持ち込み、生徒が自分の頰から細胞を採取します。それをPCR法により増幅して遺伝子分析を行い、アルコール耐性を調べるなど、その内容は大学レベルです。今後は東邦大学の研究室を見学するイベントも実施する予定です。
坂本先生は「楽しみながら理科を学ぶのが狙いです。用語を覚えるのではなく、理論そのものを理解し、知識を用いて考察できるようになってほしいのです。定期試験でも記述式の問題が多く出されるので、友人同士で説明し合う姿も見られます。東邦大学との中高大連携により、理科だけではなく数学や情報も含めたサイエンスのおもしろさを体感できるような講座を今後も多く開講していく予定です」と結びました。
正面玄関のステンドグラスには、校訓の「誠実・勤勉・友愛」を象徴する、カンパニュラ、アカツメクサ、コブシが施されています
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