受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

麻布中学校

2023年6月12日(月)

校則がないからこそ求められる
「自分の頭で考え、律する力」

 SAPIX代々木ホールで開かれたこの日の説明会は、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。直近のデータから合格の目安となる偏差値、応募状況、併願パターンを解説した後、実際の入試問題を示した広野先生は、「高度な記述力と思考力が問われますが、今はできなくて当たり前です。秋以降の特訓で力をつけていきます」とメッセージを送りました。

 続いて登壇した校長の平秀明先生はあいさつのなかで、創立者の江原素六が大事にしていた「愛と誠」が、同校の教育の根本であることを紹介しました。愛は「真理を愛する心」を、誠は「物事の本質を見極める力」を意味しています。平先生は「自由は“目的”ではありません。この“愛と誠”を実現するための手段なのです。とかく表面的な自由ばかりが注目されがちな本校ですが、重視しているのは“内面的自由”です。たとえば、本校には校則がありません。時には失敗も経験しながら自分の頭で考え、基準を確立してほしいと願っているからです」と述べました。

 「自由闊達」な校風と「自主自立」の精神で知られる同校ですが、その「自由」の理念は、1970年ごろの学園紛争の時期に、全校生徒と教職員が協議を重ねて導き出したものです。平先生は120年を超える学園の歴史に触れながら、「自由だからこそ、自分で自分をコントロールする“自律心”が求められます。それには早寝早起きをする、整理整頓を心がけるといった基本的な生活習慣や、礼儀の心が大事です」と強調しました。

知的好奇心を刺激しながら
教養を深め、表現力を養う

 次は、教育内容の特色についての説明です。平先生は「生徒たちにいかに刺激を与え続けられるかがテーマです。そのうえで『徹底的に自分の頭で考える』『書くことによって表現する』『多様性を認め合う』といったことを大切にしています」と話しました。たとえば、中3の現代文では卒業共同論文を、高1の社会科では基礎課程修了論文を課すなど、生徒たちにとって表現力・思考力を鍛える場となっています。また、20年前から続いている高1・2対象の「教養総合」で扱うテーマは人文・科学・芸術・語学・スポーツの5分野にわたり、生徒は自分が興味・関心をひかれるものを受講しています。加えて、学外の講師や卒業生などによる「リレー講座」も開講され、生徒は自発的・積極的に学ぶ姿勢を身につけています。

 国際交流活動にも積極的に取り組んでいます。「中国・韓国・カナダの学校との相互訪問に加え、イタリアの高校生との訪問交流も開始します。視野を広げ、多様性を理解するための教育活動を今後も積極的に行います」とのことでした。

 最後に、平先生は「麻布で挑戦したいこと、志のある子どもを歓迎します。チャレンジャーよ、来たれ!」と受験生にメッセージを送りました。

イメージ写真 今年5月のゴールデンウィーク中に3日間開催された文化祭の様子。文化祭は麻布学園最大のイベントで、多くの来校者で賑わいをみせていました

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