受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

愛光中学校

2023年6月22日(木)

自然豊かな環境と多様な友人関係のなかで「愛と光あふれる世界的教養人」を育成

 愛媛県松山市に広大なキャンパスを構える愛光中学・高等学校は、1953年に男子のミッションスクールとして開校しましたが、2002年に共学化されました。県内でもトップレベルの進学校として知られ、校内に併設された男子寮には全国各地から生徒が集います。

 この日、SAPIX代々木ホールで開催された説明会には、広報担当の和田誠先生が登壇しました。最初に紹介されたのが創立70周年記念事業として2021年に完成した新校舎です。中庭を中心とする二つの輪が8の字型に連なる特徴的な設計で、緑と光が調和する開放的な雰囲気です。和田先生は「本校がめざす人間像は、『深い知性』と『高い徳性』を兼ね備えた『世界的教養人』です。このような資質は、多様な人がいる豊かな環境のなかで身につくと考えています」と話しました。「豊かな環境」は自然に恵まれた広大な敷地に最新の設備を備えたキャンパスがあることを指します。自宅通学の生徒約950名と、全国各地から集まる男子生徒約400名がいるので、多様性も保たれています。

 次に、「深い知性」を身につける学びについて説明がありました。同校では6年間を三つに分け、最初の2年間で中学内容を、次の2年間で高校内容を学びます。そして、残り2年間で大学受験対策を行います。高3では生徒の志望に合わせて少人数制、コース別、習熟度別などの授業を組み合わせています。授業にICTを積極的に導入している点も特徴です。中学ではiPadを、高校ではタブレットPCを全員が購入し、各種アプリを活用しています。その例として、Googleマップを使った取り組みが紹介されました。コロナ禍で松山市の飲食店の営業が規制されていた時期に、「マイマップ」の機能を使って料理の持ち帰りができるお店の地図を生徒たちが自主的に作製したのです。このことは松山市の飲食店を助け、Googleの日本法人が取材に訪れたそうです。

 「高い徳性」はキリスト教精神に基づいて行われる行事や課外活動、宗教の時間などを通じて体得されます。宗教の時間は、CLE(Christian Life Education)と呼ばれ、週に一度、理事長のホアン・ベルモンテ神父が、聖書を用いて「生命」について深く考える授業を行います。和田先生は「毎日、礼拝が行われているわけではありませんが、すべての教育活動の土台にキリスト教精神があります」と話しました。

 次に、男子の寮生活について説明がありました。寮生は全校生徒の約3分の1を占めます。中1・2の寮生は、放課後に自由時間・部活動などで過ごした後、午後6時までに寮に戻ります。夕食・入浴を終え、午後7時15分から10時55分まで集団学習室で学習します。その後は午後11時15分に消灯という規則正しい生活です。和田先生は寮生活のメリットとして、「自立が促される」「集団生活によって協調性が身につく」「一生の友人が得られる」「規則的に集中して学習に取り組める」の四つを挙げ、「大変なこともありますし、親元を離れて寮生活を始めるのには勇気が必要ですが、それ以上の価値があります」と強調しました。

 進路については、高2で文系・理系に分かれますが、例年、3分の2程度が理系を志望しています。和田先生は「今春卒業した高3は学年全体の約250名のうち、100名強が医学部を志望しました。学校として医学部受験を推奨しているわけではありませんが、『視野を広く持ちなさい』と伝えています」と話しました。今春は国公立大学医学部医学科に59名が、東京大学に14名が合格(いずれも現役・浪人を含めた総数)するなど、高い実績を挙げました。

イメージ写真 松山空港からタクシーで約10分の場所にあり、首都圏へのアクセスも良好です 

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