受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

豊島岡女子学園中学校

2023年6月15日(木)

STEAM教育と探究学習で生徒の特性を伸ばし、より良い未来を創造する人材を育成

 豊島岡女子学園中学校・高等学校は、1892年に開校した女子裁縫専門学校を前身とする完全中高一貫の進学校です。「道義実践」「勤勉努力」「一能専念」という教育方針の下、伝統を継承しながらも時流を見据えた教育を実践しています。未来に向けて生徒の成長を促し、世界を舞台に自分らしく活躍できる人材の育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会では、校長の竹鼻志乃先生が教育内容について説明しました。同校では教育方針として、人として正しい道を実践する「道義実践」、こつこつと真面目に努力を積み重ねる「勤勉努力」、一人ひとりの才能を見いだし、磨き育てていく「一能専念」の三つを掲げています。それらを実現する取り組みの一つが「運針」で、これは毎朝5分間、針目をそろえながら布をまっすぐに縫い進めるもので、70年以上続く同校の伝統です。竹鼻先生は「無心になって手を動かすことで集中力が高まり、何事にも平常心で臨めるようになります。『基礎・基本の大切さ』『努力を積み重ねることの重要性』『特技を持つことの強み』も実感できます」と述べました。教員にとっても生徒の様子を観察する大事な時間となるそうで、「針目の乱れは心の乱れ。日ごろから生徒の小さな変化に気づき、きめ細かい指導ができるように注意深く見守っています」とのことです。

 伝統的な取り組みを大切にする一方、時代のニーズにかなった教育内容も積極的に採用しています。「志力を持って未来を創る女性」の育成をめざし、日々の授業を通じて「科学的思考で課題を解決できる力」「挑戦する力」「世界で活躍できる力」といったスキルをバランスよく伸ばしていきます。たとえば、中学では、数学は代数と幾何、社会は地理と歴史というように科目を細分化し、それぞれ異なる教員がていねいに指導します。また、英会話では外国人教員と日本人教員とのチームティーチングによる少人数制授業を行っているほか、数学や科学実験の表現を学ぶオールイングリッシュの授業が導入されているのも特徴です。高1ではディベート英語などのハイレベルな内容の授業もあります。高2からは文系・理系に分かれ、高3の授業は大学入試に向けた演習が中心になりますが、英語で科学を学ぶ「科学英語」は文系・理系を問わず必修となっています。

 教育活動のなかでも、特に力を入れているのが探究活動です。同校は2018年から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、中1・2ではテーマに沿ってモノづくりに取り組むSTEAM教育「T-STEAM:Jr」を実施しています。ここでは、モノづくりの楽しさを味わいながら、チームで課題解決に挑む経験ができます。モノづくりへの関心が高い生徒に対しては、より挑戦性の高い「T-STEAM:Pro」や、探究学習の成果を発表する「Academic Day」といったプログラムも設けています。

 キャリア教育も力を入れ、社会で活躍するOGによる講演会を聞いたり、生徒たちが卒業生にインタビューをしたりして、自分の生き方や社会とのかかわり方について考えさせています。

 グローバル教育は英語の授業での経験を基礎とし、英語の体験教育施設の訪問、オンライン英会話や海外との交流、放課後の特別レッスンなどを行っています。また、ニュージーランドやイギリスなどでの中・短期の留学(中3~)をはじめとする異文化体験プログラムも豊富です。

 最後に竹鼻先生は、「本校では生徒全員がクラブ活動に参加します。そのなかで仲間と切磋琢磨し、一つの目標に向かって努力しながら、喜びや感動を共有し、困難や苦労を乗り越えて、大いに人間力を磨いてほしいと願っています。また、本校には『好きなものを好き』と言える環境があります。さまざまなことに意欲的にチャレンジし、みずからを高めたいという方、ぜひ自分の可能性を精いっぱい広げに来てください」と結びました。

イメージ写真 JRほか「池袋」駅から徒歩7分。地下1階・地上8階建ての校舎の中には、三つの体育館やエアロビクススタジオといった運動施設、茶室、作法室などがそろっています

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