受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城中学校

2023年6月14日(水)

「受け継ぐ伝統」「次世代を見据えた変革」の下、徳を備えた人間力高きリーダーを育成

 成城中学校・高等学校は、1885年に設立された文武講習館を前身とする男子進学校です。文武両道主義の下、グローバル社会に適応するリーダーの育成をめざしています。

 同校の特色について、校長の岩本正先生は、「男子校の良さ」「伝統校の良さ」「中高完全一貫校」という三つのキーワードを挙げました。

 「自分をさらけ出し、受け止めてもらえるのが男子校の良さです。生徒たちは伸び伸びと学校生活を楽しみながら、互いの個性を認め合い、仲間と共に成長していきます」と岩本先生は話します。実際、全校生徒を対象に例年実施している「学校生活に関するアンケート」では、全生徒の90%、中1生の95%が「楽しい」と回答したとのことです。

 「伝統校の良さ」の象徴として、岩本先生は1925年から100年近く続く伝統行事「臨海学校」を紹介しました。これは、中1の夏に3泊4日の日程で、千葉県の南房総市で行うものです。そこでは、泳力に応じて3段階に分かれて「海での泳法」を習いますが、各班十数名につき、3名の教員と選抜された高2の生徒3名が補助役を務めます。「高2生はリーダーシップを学び、中1生は先輩の頼もしい姿をロールモデルとして影響を受けます。先輩へのあこがれが、自主・自律の第一歩となる好循環につながるのです」と、その意義を語りました。

 また、2021年に「中高完全一貫校」となった同校では、生徒の発達段階を考慮して教育課程・学校設定科目などの改革が進められてきました。たとえば、統計やプログラミングを学ぶ中1の「数学統計」では、理科・社会の分野のデータを分析する教科横断型授業を行っています。1人1台のタブレットパソコンを操作しながら、Excelでの統計処理、情報モラルに関する知識、タイピング技術などを学びます。ほかにも、言語技術向上をめざす「国語表現」、ネイティブ教員が英語のライティング指導を行う「論理表現」といった授業が導入されています。

 岩本先生は「本校がめざすのは、校章の三光星が示す『知・仁・勇』の三つの徳をバランスよく備えた人間力の高いリーダーの育成です。伝統を守りつつ、めまぐるしく変わる時代に即した教育をこれからも積極的に導入していきます」と力強く述べました。

 学校生活と教育内容については、入試広報室長でもある教頭の中島裕幸先生が説明しました。中高6年間を2年ずつ「基礎学力養成期」(中1・2)、「進路決定期」(中3・高1)、「実力完成期」(高2・3)の3期に分け、男子の発達段階に合わせたカリキュラムの下、中1・2では特に授業を中心とした学習習慣の定着をめざします。日々の小テストで学習到達度をチェックし、補習や再テストを通して、自学自習の姿勢を養います。

 異文化への興味を促す国際教育も充実しています。カリフォルニア大学をはじめとする世界のトップ校の学生や在日留学生を招いて意見交流や発表を行う「グローバルスタディズ・プログラム(中3~高2の希望者)」のほか、オーストラリアや台湾への海外研修、ニュージーランド・ターム留学も実施しています。

 高2・3でのクラスは生徒が希望する進路ごとに編成され、高3では科目別に習熟度別授業が行われるほか、選択授業も多く開講されます。無料の進学講習もあり自習室「自修館」にも卒業生がチューターとして常駐するなど、志望校合格に向けたバックアップ体制も万全です。

イメージ写真 地下体育館、温水プール、人工芝グラウンド、屋上テニスコートなど運動施設が充実。部活動・同好会の総称「学友会」には約40のクラブがあり、兼部も可能です

www.seijogakko.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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