受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田佐賀中学校

2023年6月10日(土)

大隈重信ゆかりの地で、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーを育成

 2010年に早稲田大学の7番目の附属・系属校として、佐賀県唐津市に開校したのが早稲田佐賀中学校・高等学校です。早稲田大学創設者の大隈重信の出生地でもある佐賀県で、「進取の精神」「学問の独立」「地球市民の育成」を掲げ、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーの育成をめざしています。2023年春は、卒業生215名のうち92名が早稲田大学に推薦で入学しました。

 SAPIX代々木ホールで行われた説明会の冒頭、教頭の覚前宏道先生は、唐津湾に囲まれたキャンパスのロケーションに触れ、「海でのアクティビティーやホタル観賞会、有明海の干潟で行う『ガタリンピック』など、いろいろな体験ができます」と、自然豊かな周辺環境について紹介しました。

 次に、2023年4月より校長に就任した渡邉義浩理事長が掲げる「早稲田佐賀 VISION25」について説明がありました。これは、25年後に向け、「系属校として早稲田大学への推薦枠50%からの飛躍」「早稲田佐賀らしさの醸成」「アジアに開かれた国際性」「個性の響きあう寮」「進学校の部活」という五つの目標を定めたものです。具体的には、学力の向上により推薦枠を50%から80%に増やし、他大学志望者にも徹底した学習指導を行うというものです。数学については全員が数Ⅲまで履修して、文系・理系という概念をなくしていく方針とのことです。また、国際性を高めるためにアジア諸国からの留学生を積極的に受け入れるなど、新しい進学校の形を追求しています。

 このようなビジョンの下、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーを育成するため、同校では、中1・2を「基礎力養成期」、中3・高1を「応用力養成期」、高2・3を「実践力養成期」と位置づけ、日々の学習やさまざまな課題を通して学力を高めることを重視しています。「確かな基礎学力の育成」「充実した英語教育」「頭と心を鍛える学習活動」を三つの柱として、朝テストや授業内テストで学習定着度を確認するとともに、ベースアップ補習や添削指導などで細やかなフォローアップを行います。

 英語教育では、4技能をバランスよく伸ばすカリキュラムを導入し、生徒はネイティブ教員による英会話授業やオンライン英会話レッスン、文化祭での英語スピーチコンテストなどで、実際に英語を使いながら表現力を磨いていきます。希望制のオーストラリア語学研修があるほか、早稲田大学系属校と協定を結んでいるニュージーランド政府の留学促進機関「エデュケーション・ニュージーランド」の制度を利用したオーダーメード留学も可能となっています。

 現在、附設寮の「八太郎館」では、中学生390人のうち、東京都出身の131名、神奈川県出身の23名をはじめとする253名が共同生活を送っています。寮では「自己管理能力」「問題解決能力」「自主自律」が求められると前置きしてから、覚前先生は「寮での生活は、思い通りになることばかりではありませんので、お子さんの適性を見極めていただけたらと思います。少し不便な環境下で、わかること、見つけることがいろいろあると理解したうえで入寮させていただけたら」と、寮生活の心構えについて語りました。

 2024年度入試は、「前年と大きくは変わりませんが、詳細は9月に発表される募集要項でご確認ください」とのことです。また、2025年度より、1月入試では算数の得点が1.2倍されることも発表されました。

イメージ写真 景勝地・虹の松原や唐津城など、美しい自然や史跡に囲まれたキャンパス。大隈重信の幼名にちなんだ寮・八太郎館には、関東出身の生徒も多く、充実した日々を過ごしています

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