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学校説明会レポート
世田谷学園中学校
2023年6月9日(金)
創立125周年に向けて新校舎を建設予定。2コース制で“智慧の人”を育てる
1592年に開設された曹洞宗吉祥寺の学寮「旃檀林(せんだんりん)」から発展した世田谷学園は、禅の精神に基づく人間教育を実践する男子進学校です。
説明会の冒頭、校長の山本慈訓先生は、教育理念の「Think & Share」について、「これは、お釈迦様のことばである『天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)』を簡潔な英語で表現したものです。このことばはエゴイズムの象徴のように理解されていますが、本当は違います。『わたしだけが持っているかけがえのない価値がある。それと同じように、あなたにもあなただけが持っているかけがえのない価値がある。そのうえで互いを尊重して共存していこう』というメッセージなのです。本校では、その共存をめざして、生徒の知性を高めるとともに、慈悲と勇気を備えた“智慧(ちえ)の人”を育てていきたいと考えています」と説明しました。
そのための具体的な教育システムとして山本先生が取り上げたことの一つが、本科コースと理数コースの2コース制です。同校では、中学入試の段階からコース別に生徒を募集し、入学者は本科コース4クラス、理数コース1クラスに編成されます。この二つのコースの大きな違いは、「土曜プログラム」の内容です。これは、通常の授業の枠を超えた体験を重視した学びの時間で、本科コースでは世田谷線沿線の巡検や小説の創作を、理数コースでは農業体験や自然探究会などを行います。そして、ここで培った力を、やがて本格的な探究活動に役立てていきます。本科コースの探究活動は、人文科学・社会科学・自然科学から幅広くテーマを設定するのに対し、理数コースの探究活動は「サイエンスプロジェクト」と題した、自然科学に特化した課題に取り組むものです。山本先生は、「これからは、クリエイティブな知性を持つ人材が求められる時代です」と前置きしたうえで、「土曜プログラムから段階的に探究活動に移行していく流れは、生徒の知性をよりクリエイティブなものへと高めるための仕掛けです。長期的なスパンで継続的に探究活動に取り組めるのは、中高一貫校の強みの一つといえるのではないでしょうか」と述べました。
次に、教頭の北原透先生から入試についての説明がありました。試験日程は、2月1日午前、2月1日午後、2月2日午前、2月4日午前の全4回で、本科コースも理数コースも同一問題が課されます。出願パターンは本科コースのみを希望するか、本科コースと理数コースを併願するかの2通りです。理数コースに出願すれば、自動的に本科コースにも出願したことになります。その場合、理数コースは不合格でも、本科コースにスライド合格となることがあります。北原先生は「基礎的・標準的な内容を万全にして確実に得点し、合格のチャンスを広げてください」とアドバイスしました。
最後に、広報部長の宝地戸通至先生が学校生活について紹介しました。三大行事として挙げたのは、7月の「体育祭」、9月の「獅子児祭(学園祭)」、12月の早朝坐禅会「臘八摂心(ろうはつせっしん)」です。なかでも獅子児祭は、「生徒たちが追求している『Think & Share』を体現する大切な場」だと述べ、「ぜひ、お子さんと一緒に遊びにいらしてください」とメッセージを送りました。
同校は2026年に創立125周年を迎えます。その記念事業の一環として、現在の土のグラウンドを人工芝のグラウンドにリニューアルするほか、新校舎が建設されます。新校舎は地上4階建てで、技術室、美術室、ICTラボ、グローバルルームなどが入る予定です。既存の校舎にある美術室とコンピュータルームは、新校舎の完成と同時に役目を終え、その後は自習室として改装されるとのことです。
東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅から徒歩10分。60人が座れる本格的な禅堂があり、週1コマの「生き方」の授業や、有志による早朝坐禅会などで利用されています
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