- Top
- 学校行事/学校説明会
- 新渡戸文化中学校:学校説明会レポート
学校説明会レポート
新渡戸文化中学校
2023年6月3日(土)
「好き」を追求し社会貢献活動に結実。生涯、主体的に学び続ける「自律型学習者」を育成する
子ども園から短期大学までを擁する男女共学の総合学園である新渡戸文化学園の始まりは、教育者・農学者であり、国際連盟の事務次長も務めた新渡戸稲造博士とその弟子の森本厚吉博士らが、1927年に創立した女子文化高等学院です。戦後も「東京文化中学校・高等学校」として女子教育を実践してきましたが、近年では男女共学化して「学校大改革」を進めています。2020年度に経済産業省の「未来の教室」モデル校に選ばれたほか、外部事業者と連携して教材開発にも取り組んでいます。
オンライン説明会の冒頭、校長の小倉良之先生は大学入試改革の動きに触れ、「現代は複雑で予測困難な課題が生じる時代です。大学側は知識の豊富さより、主体的に学び、複数の情報を組み合わせる編集力や、他者と協働しながら最適解を生み出す力を持つ人材を求めています」と述べました。以前からこうしたスキルを重視してきた同校では、基礎学力を養う教科学習である“Core Learning”と、広い視野や探究心を育む教科横断型授業である“Cross Curriculum”に加えて、企業などと連携して社会課題の解決に挑む“Challenge Based Learning”にも取り組んでいます。こうしたカリキュラムはこの三つの頭文字をとって「3C」と呼ばれています。これについて小倉先生は、「生涯にわたって主体的に学び続ける『自律型学習者』の育成をめざしています。ひいては、自分と社会の幸せをつくり出す『Happiness Creator』に成長してほしいと考えています」と語りました。
次に、ブランディングデザインチーフの奥津憲人先生が、教育内容を紹介しました。
一つ目は、3Cカリキュラムが促す生徒の成長についてです。同校では、生徒一人ひとりの希望や進度に合わせて学習を個別に最適化しています。Core Learningでは各学期の初めに「エンゲージメント週間」を設けて学びの目的を明確にし、一般的な中学・高校の中間考査に当たる「実力テスト」で基礎的・認知的な学力を確認します。学期末には、ディベートやプレゼンテーションによる「アウトプット型テスト」を実施し、学びの内容や成果を自分のことばで表現させて、真の学力の習得につなげます。また、AI型学習教材などを活用し、生徒の潜在能力を引き出しています。これについて奥津先生は、「個々の学力に応じて学習が進められるので、中学で高校課程の数学や英語に進む生徒もいます」と話しました。
一方、Cross Curriculumは「好き」を伸ばすための探究学習です。自然観察や環境問題など、多彩なテーマを持つ「ラボ」から各自が関心のあるものを選んで所属し、毎週、丸一日を使ってじっくりと興味を掘り下げます。奥津先生は「生徒自身が『好き』を学びに発展させて社会とのつながりを考え、世の中にはたらきかけていくことが大切です。本校では、企業と連携して商品開発を行うなど、思いやアイデアを形にする『行動者』が続々と誕生しています。教科教育では得がたい学びを通して、すべての生徒に輝ける可能性を与えています」と語りました。
自律学習を支える体制については、「最も必要なことは『対話』です。『今どういう状態?』『どうなりたい?』『そのためにできることは?』と繰り返し問いかけてメタ認知を促すと、生徒は自分を俯瞰して物事を考えるようになるので、適切な選択のできる力が身につきます」と奥津先生は言います。また、「卒業までに100人の大人に出会う」を目標に、各分野の専門家と連携して特別授業などを実施し、生徒に自分の生き方のヒントを見つけさせる機会としています。
最後に、高校の探究学習の一環である「スタディツアー」について紹介がありました。生徒は動物保護やまちづくりなど、全国20か所以上で行われているさまざまな取り組みのなかから、自分が関心をひかれるものに参加します。そのうえで、Cross Curriculumの時間に事後学習により学びを深めます。奥津先生は、「社会の第一線で課題解決に取り組んでいる人たちと行動を共にできるので、人生を変える出会いもたくさんあります。そのなかで『自分の興味』『やりたいこと』『能力』『社会課題』を掛け合わせながら人生の道標を見つけ、社会へと羽ばたく力を養っていってほしいと考えています」と結びました。
自由なものづくり施設「VIVISTOP NITOBE」や、プレゼンテーション、ライブなどの場として活用する視聴覚室の「NITOBE THEATER」など、生徒の創造力や表現力を伸ばす活動ができる施設が整っています
◎学校関連リンク◎
◎人気コンテンツ◎