受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川大学附属中学校

2023年6月7日(水)

知力と人間力を培う教育で、主体的に「学び続ける生徒」を育成

 「神奈川県立四季の森公園」に隣接する自然に恵まれた校地に、充実した教育環境を整えている神奈川大学附属中・高等学校は、「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」を建学の精神に掲げ、「みずから考え、判断し、行動できる人へ」を合言葉に、多彩な教育活動を行っています。

 この日の説明会は、生き生きと学校生活を送る生徒の姿を収録した動画の上映から始まりました。あいさつに立った校長の中野宏一先生は、「友だちとの豊かなかかわりのなかで、生徒たちは社会で活躍できる人間力を身につけていきます。本校で貴重な6年間を楽しみ、見聞を広めて、卒業までの間に自分の能力を最大限に発揮できる分野を見つけてほしいと思います」と語りました。

 続いて、副校長の小林道夫先生が同校の四つの特色について説明しました。一つ目は、広大なキャンパスと「のびのび」とした校風です。約5万坪の敷地には人工芝のサッカー・ラグビー場や陸上グラウンドなどがあり、部活動も盛んです。二つ目は、1学年220名程度の完全中高一貫の共学校であることです。男女比は均等に近く、すべての授業と課外活動を男女共修で実施することも特徴の一つです。

 三つ目は、大学附属校でありながら、多様な進路を支援していることです。小林先生によると、「神奈川大学への被推薦権を保持したまま他大学を受験することもでき、国公立大学と早慶上理GMARCHへの進学率は60~70%に上ります。また、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの36大学と提携する海外協定大学推薦制度(UPAA)があるため、国内大学を志望しながら海外大学もめざすこともできます」とのことです。希望する進路の実現を支援する取り組みとしては、卒業生に仕事の話を聞くキャリアラボ(中1・3)、OBOG懇談会(高1・2)がありますが、そのほかに、神奈川大学と連携した見学会・説明会や、大学の講義を受講する「一日神大生」(高2)も実施しています。

 四つ目の特色は、先進的な教育に挑戦していることです。同校では、コロナ禍以前から1人1台のタブレットパソコンを導入し、生徒の主体性を引き出すICT教育を展開しています。一方、グローバル教育としては、3日間英語漬けになる「BEC(Breakthrough English Camp)」(中1~3)、フィリピンにいる講師によるオンライン英会話レッスンなどを実施しています。今年度からは、中3~高2の希望者を対象とした「問題解決型(ベトナム)」「語学型(セブ島)」「国際交流・文化体験型(イギリス)」の3タイプの海外研修プログラムも開始します。STEAM教育にも力を入れており、週1回の「探究の時間」には、中3と高1が学年の枠を取り払い、20以上のゼミから各自が希望する分野を選択して1年間の探究活動に取り組みます。このほか、神奈川大学との高大連携プログラムとして、宇宙エレベーター研究、ロボット製作、DNA組み換え実験といった講座も開講されているそうです。

 学習と進路決定を支援する体制も整備しています。中1~高1の英語・数学は少人数制で習熟度別クラスでの授業が実施されます。高2・3では希望の進路に合わせたコース制となります。また、今年度から新たに「放課後自習室学習支援プログラム」がスタートしました。小林先生は、「全学年の生徒が4号館の校舎を丸ごと自習室として使用できます。卒業生の大学生・大学院生を含む『学習コーチ』が4名常駐して、質問にも対応します」と述べ、「本校では、このように学習環境を整え、みずから進むべき道を切り開き、他者と協働して学び続ける生徒を育てようとしています」と結びました。

 最後に、広報部長の岩佐賢史先生から、「本校の入試の基本方針は、『基礎・基本から標準まで』です。難問・奇問は出題しません。以前にも同じような問題が別の角度から出されていますので、ぜひ過去問を使った学習を積み重ねてください」とのアドバイスが送られました。

イメージ写真 「放課後自習室学習支援プログラム」は、中1・2は午後7時まで、中3・高1は午後8時まで、高2・3は午後9時まで利用できます。部活動と両立させながら、学校内で学習が完結します

www.fhs.kanagawa-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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