受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東邦大学付属東邦中学校

2023年6月1日(木)

「総合的な人間力」を培う幅広い学びで、真に豊かな学力を持つ生徒を育成

 東邦大学付属東邦中学校・高等学校は、医学部や薬学部など医療系を中心に5学部を有する東邦大学の付属校です。額田豊博士と額田晉博士の兄弟によって1952年に高校が、1961年に中学校が設立されました。卒業生の9割以上が国公立大学・難関私立大学・医歯薬系学部に進む、千葉県屈指の進学校としても知られています。プロセスを重視するリベラルアーツ型の幅広い学びで、真に豊かな学力を持つ生徒の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の松本琢司先生は、東邦大学と共通する建学の精神「自然・生命・人間の尊重」に触れ、「高い倫理観と豊かな人間性を持って、社会に貢献する人材の育成を図っています。AIの急激な発達や感染症の流行に象徴されるような、先行きの不透明な社会において必要とされるのは、AIにはない、人間だけが持つ非認知能力だと考えます。本校では、勉強を中心としながらも、学校行事や部活動にも励みます。広く学ぶことによって知識や教養、豊かな感性、コミュニケーション能力、問題解決能力といった総合的な人間力を培おうと考えています」と語りました。

 2017年には高校募集を停止し、完全中高一貫校になりました。これによりカリキュラムの二重性が解消され、より充実した教育を実践できるようになったそうです。松本先生は「総合的な人間力を培う場、自分探しの場として、緑豊かで広々としたキャンパスを持つ本校を選んでいただけたら幸いです」と結びました。

 続いて、広報部長の岡田美秀先生から教育内容についての説明がありました。中学時代は、幅広い知識と教養を身につけさせる方針で、高2までには、主要教科の学習内容を終了させます。最後の1年間は、演習を中心とした授業で、大学受験に向けてしっかり対応できるカリキュラムとなっています。国語では、読書の感想を記録し、教員に提出する「読書マラソンノート」があり、数学では、毎日1枚ずつ問題を解く「数学トレーニングマラソン」などが実施されています。理科実験室は、中高合わせて9室あり、実験や観察の時間を多く取ることができます。英語では、4技能をバランス良く習得するため、英字新聞の作成や、日本文化を英語で紹介する動画の作成なども行っているそうです。岡田先生は「どの教科も知識を獲得するだけでなく、実際に体験して学びを深めることも大事にしています」と話しました。

 また、中2・3の希望者を対象に、英語・数学を中心とした夏期講習・冬期講習を開講しています。中学段階では定期考査後に課題補習を実施するなど、授業のフォローアップも積極的に行われています。もちろん、個別相談への対応や入試直前講習もあります。

 海外研修については、今年8月のオーストラリア研修から再開される予定です。そのほかに、留学生との英語コミュニケーションプログラム「Power in ME」、ハーバードの大学生と交流する「SLICEプログラム」がありますが、これらはオンラインで実施しています。

 さらに、この日の学校説明会では、東邦大学の各学部と連携して、素粒子の観察やDNA鑑定などを行う「学問体験講座」や、東邦大学医療センター佐倉病院にて行われる、医学部志望者を対象とした外科の実習模擬体験「ブラック・ジャックセミナー」の様子も動画で視聴することができました。

 卒業生の進路については、理科系が約7割、文科系が約3割で、3分の1程度が国公立大学に進学しています。東邦大学へは毎年、全学部に特別推薦枠が用意されていて、医学部は15名です。

 2024年度の入学者の選抜は例年どおりです。12月1日午前に推薦入試と帰国生入試(英語選択型)が、1月21日午前に前期入試が、2月3日午前に後期入試がそれぞれ実施されます。

イメージ写真 学校行事や部活動を奨励し、広く学ぶことを大切にしている同校では、多くの生徒が充実した施設で学校生活を楽しみながら、学習と部活動の両方に打ち込んでいます

www.tohojh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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