受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

山手学院中学校

2023年5月18日(木)

国際交流教育に注力し、世界に羽ばたくグローバルリーダーを育成

 1966年に中学校が、1969年に高等学校が創立された山手学院は、横浜市栄区にある共学の中高一貫校です。「『未来への夢をはぐくみ、その夢の実現をたくましくになっていく人』すなわち『世界を舞台に活躍でき、世界に信頼される人間』を育成する」を建学の精神に掲げ、国際感覚を培う多彩な取り組みを実践しています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の時乗洋昭先生は、「本校は保護者の方やお子さんの“思い”のバトンを受け取り、社会に出たときに『山手に通わせてよかった』と思える教育を行う体制を整えています」と語りました。

 教育内容については、入試対策部長の渡辺大輝先生が説明しました。同校は鎌倉の山々や富士山を望む高台にあり、約6万㎡の広大なキャンパスで生徒たちは、自由を尊重する校風の下、伸び伸びと生活しています。

 通常の授業は週5日ですが、土曜日の午前中には土曜講座を開講し、英語・数学の補習のほか、英検®対策講座、教養としての語学講座などを行っています。中1生の約7割が英語・数学の補習講座に参加しているとのことで、早い段階から学習習慣の確立と弱点補強を図っています。また、長期休暇中には指名制の補習を実施するほか、高2・3生向けに160~200種類もの単科講座を開講するなど、大学受験対策も充実しています。

 そして同校の教育の中核を担っているのが、「国際交流プログラム」「グローバルリーダープログラム(GLP)」の2本柱です。コロナ禍で中止を余儀なくされていた「国際交流プログラム」は、2022年度から順次再開。全員参加のオーストラリア・ホームステイ(中3)、北米研修プログラム(高2)では、生徒が2人1組となって現地のホストファミリーと過ごし、これまで培ってきた英語力を試すとともに、異文化を体験してコミュニケーション能力を養っています。このほかにも、ニュージーランド中期留学(中3)、北米研修プログラムでお世話になったホストファミリーを受け入れるリターンビジット、アメリカ・ニューヨークの国連本会議場で意見交換を行う国連世界高校生会議(UNIS-UN)への参加など、英語を使う機会を多く設けています。

 このうち「グローバルリーダープログラム(GLP)」について、渡辺先生は「Chat GPTなどの出現からもわかるように、これまで人間がやってきたことをAIが代替する時代になってきています。想定外の場面に対応すること、人とすり合わせをすること、責任を持って取り組むこと、倫理的に考えることなど、AIができないことをする能力を育成するために、GLPをスタートさせました」と話します。GLPには、「SDGs」「アントレプレナーシップ(起業家精神)」「プログラミング的思考力」「英語対話力」「哲学的思考力」の五つのコンセプトが設けられ、生徒は自分の希望する講座を選んで受講できます。校長の時乗先生がHP作成を指導する「Webプログラミング」、社会問題や環境問題を考える力を身につける「SDGs探究スタディツアー」など、多彩な内容のものがあります。

 大学進学については、2023年度の中高一貫コースの卒業生は、50%以上がGMARCH以上の大学に現役で合格しており、国公立大学や医・歯・薬・看護学部などへの進学者も多いのが特徴です。また、この2~3年で総合型選抜や学校推薦型選抜での進学者が増加しており、2021年度の26名から、2023年度は47名へと大幅に増えました。

 なお、2024年度入試については、大きな変更はありません。渡辺先生からは「算数は全問が同一配点のため、1問で大きな差がつきます。取りこぼしのないよう、解きやすい問題から着手してください」とのアドバイスがありました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 キャンパスまではJR「港南台」駅から徒歩12分。自然豊かな環境が魅力です。広大な敷地を活用したクラブ活動も活発です

www.yamate-gakuin.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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