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学校説明会レポート
海城中学校
2023年5月23日(火)
リベラルでフェアな精神を持つ
「新しい紳士」を育成
1891年に古賀喜三郎が私財を投じて創立した海軍予備校を前身とする海城中学高等学校。建学の精神「国家・社会に有為な人材の育成」の下、リベラルでフェアな精神を持った「新しい紳士」の育成に取り組んでいます。
説明会の冒頭、今春、校長に就任した大迫弘和先生があいさつに立ちました。国際バカロレア(IB)教育の第一人者として知られる大迫先生は、「海城の強さは、先生方の教育力の高さにあると実感しています。大学進学実績を上げることにのみ注力したものではない、生徒一人ひとりの将来、人生に反映されていく本質的な教育を6年間で積み上げていこうという先生方です。わたしが校長になったからといって海城がIB校になるわけではありませんが、国際標準の教育という文脈のなかで、海城がめざす“いままでになかった新しい教育”を充実させ、より魅力ある学校になるよう尽力したいと考えています」と述べました。
新しい「学力」と「人間力」を養う
探究型の学習や体験学習を導入
同校は創立100周年を迎えた1990年代初頭から学校改革に着手してきました。その経緯について、校長特別補佐で入試広報室長の中田大成先生は、「当時から東大をはじめとする最難関大学への進学実績では一定の結果を出していましたが、そこで燃え尽きてしまい、大学で留年するような卒業生が多いという調査結果が示されました。その反省から、“新しい人間力”と“新しい学力”を兼ね備えた社会で活躍できる人間の育成をめざした学校改革が始まったのです」と説明します。
“新しい人間力”を養うプログラムとしては、チームが協働して課題をクリアしながら社会情動的スキルを養う「プロジェクトアドベンチャー(PA)」と、即興劇をはじめとした演劇の手法により人間関係力や共感能力を鍛える「ドラマエデュケーション(DE)」という二つの体験学習が導入されています。「こうした体験学習を通して、『コミュニケーション能力』『コラボレーション能力』のイロハを学び、それを部活動や学校行事といった教科外学習の場で、活用・応用することにより、“新しい人間力”の獲得を確かなものにしていくのです」と、中田先生は続けます。
一方、“新しい学力”を養成する取り組みの一例として挙げられたのは、中学社会科の総合学習です。生徒は学期ごとにみずから選んだテーマや問題に対して取材や調査を重ね、自分なりの答えを導き出してレポートにまとめます。「学期ごとにレポートを作成し、中3ではその集大成として卒業論文を仕上げます。中1のはじめは原稿用紙数枚分を書くのに苦労していた生徒も、何度も繰り返すことで、最終的には1万数千字の論文をまとめられるようになります」と中田先生は言います。ほかにも、プログラミングや科学実験、模擬裁判を行い、学年・教科の枠に縛られずに興味・関心を深めるための特別講座「KSプロジェクト」など、主体的・体験的に学ぶさまざまな取り組みが導入されています。中田先生は「近年では数学オリンピックをはじめ、理数系分野の国際大会で活躍する生徒が多く、学校ホームページでも彼らの活動を報告しています。知っていただきたいのは収めた成績だけではなく、そこに至る道のりです。ロールモデルとなる先輩がいて、その指導や助言に導かれて、後輩が後に続く。このように生徒たちが互いに触発し合い、高め合って成長していく、そんな“学びの場”が海城という学び舎です」
物理・化学・生物・地学の専用実験室9室を完備した「Science Center」には、太陽光発電や風力発電の設備があり、屋上を緑化するなど、環境にも配慮した建物です
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