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学校説明会レポート
市川中学校
2023年5月23日(火)
図書館を活用した「第三教育」で養う
「自ら進んで生涯学び続ける力」
1937年に開校した旧制市川中学校を前身とする市川中学校・高等学校は、国公立大学や最難関私立大学に多くの合格者を輩出する、千葉県有数の進学校として知られています。
説明会の冒頭、校長の及川秀二先生は建学の精神の一つである「第三教育」について、「家庭における『第一教育』、学校で受ける『第二教育』に対し、『第三教育』とは自分で自分を教育することを意味しています。生徒たちには『自ら進んで生涯学び続ける力』を養って本校を卒業してもらいたいと願っています」と説明しました。
その実現をめざし、同校ではリベラルアーツ教育を重視しています。及川先生は「第三教育の場として、図書館を『第三教育センター』と呼んでいます。本校のリベラルアーツ教育では、文科系や理科系という区別にとらわれない幅広い教養と知識を得ることによって、新しいものを作り出す力、それを人々に伝える力を身につけていきます」と強調しました。そのために伸ばしておきたい力として、「学力」「教養力」「科学力」「国際力」「人間力」の五つを挙げ、それらを養成する多彩な取り組みが紹介されました。
3ステージ制の下、リベラルアーツ教育で
生徒の可能性を広げる
同校では、中高6年間を2年ずつに分けて学習を進める3ステージ制を基本としています。1stステージ(中1・2)は「基礎期」と位置づけられ、生徒たちは物事のとらえ方、学び方などを身につけます。その過程で大事にしているのが、紙と鉛筆を使った学習です。「この時期に良書を読み、辞書を引き、物事をじっくり考え、文字を自分の手で書くことは、非常に大事なことだ」と及川先生は言います。しっかり見て、深く考えて、論理的にまとめる力を育てる2年間というわけです。
2ndステージ(中3・高1)となる「発展期」では、さまざまな課外活動や他流試合を経験します。多くの生徒が国際研修や国内研修・各種コンテストに積極的に参加し、「表現力」などを磨いているそうです。
3rdステージ(高2・3)は「応用期」として、「その先」を見据えた進路選択を行います。高2では、生徒が主体となって少人数で行う「リベラルアーツゼミ」、古典の哲学書をテキストにした対話型セミナー「市川アカデメイア」などを通して、教養力を培っていきます。
文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、15年目を迎える同校では、「科学力」を伸ばすための教育も全学年で実践しています。理科では、中学段階から実験を軸とした探究活動を取り入れ、高2では理系選択者全員が課題研究に取り組みます。
一方、「国際力」を培う国際交流も盛んです。今年度から、シンガポール研修(中3)、ニュージーランド研修(中3・高1)、ボストン・ダートマスカレッジ研修(高1・2)など、希望者対象の国際研修が再開されることも伝えられました。
「第三教育センター」と呼ばれる図書館。冬にはこたつを設置するなど、生徒たちが心地よく「第三教育」に取り組める環境が整っています
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