受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(「23年11月号」より転載/23年10月公開)

開成中学校・高等学校 開成祭 9月23日(土・祝)・24日(日)

新校舎の完成とともに、
4年ぶりに通常開催された開成祭

 2020年はオンライン開催、2021年は在校生の家族のみの見学、2022年も招待者のみに絞って行われた開成祭。創立152周年を迎える今年は、4年ぶりに入場制限なしで通常開催され、来場者は3万7000人にも及びました。ほぼ完成した新校舎を全面的に使い、昨年までグラウンドで実施された企画の一部は、新校舎の中央テラスで行われていました。

新校舎の工事中は北門が入場口となっていましたが、今年は正門から入ります。入場口では会場スタッフが元気よく出迎えます

 編集部が訪問したのは1日目の23日。最初に向かったのは、A会場4階の折り紙研究部の展示です。部員全員で3日間かけて作ったという、一辺5m以上の折り紙を使った迫力の巨大作品から、動物・昆虫・天使・ドラゴンといった個人作品まで並び、来場者を魅了していました。

 続いて、鉄道研究部の「鉄研の車窓から2023」へ。多くの小学生が夢中になっていたのは、住宅や駅なども作り込まれた、リアルな大ジオラマの展示です。また、鉄道模型の運転体験や、発車ベルスイッチの操作体験といった参加型のコーナーもありました。

毎年、愛媛県松山市で8月に行われる俳句甲子園を再現した「熱闘! 俳句甲子園」。写真の対戦相手(赤)は海城高の生徒です

 4階にある屋外の中央テラスで白熱の闘いを見せていたのは、文化祭準備委員会中後夜祭係による「開成vs筑駒」です。これは開成と筑駒の2校による合同企画で、各校から選ばれた精鋭が難問に挑戦するというイベント。対戦者には幅広いジャンルの難問が出題されましたが、両校負けず劣らず、どのようなクイズにも次々と答えていました。

 おいしそうな香りに誘われて階段を下りると、A会場1階の高校ピロティに模擬店が並んでいました。名物の「開成焼き(大判焼き)」は、生地も原料からこだわり、生徒が調理しているというだけあって大人気。今年は新メニューの「海鮮風開成焼きそば」が登場したこともあり、食券の販売ブースには行列ができていました。このほか、A会場では書店さながらの品ぞろえの古本市、さまざまな道具を自由自在に操るジャグリング部のパフォーマンス、生徒と先生がクイズや腕相撲で真剣勝負する「生徒vs先生」、在校生が校内を案内する「開成ツアー」など、来場者を飽きさせないイベントがめじろ押しでした。

 高校校舎の脇を抜けて道路を渡ると、中学校舎であるB会場に入ります。この校舎で注目を浴びていたのは、1階視聴覚室で行われた俳句部の「熱闘! 俳句甲子園」です。他校の生徒も招待され、互いが詠んだ俳句について熱い議論が交わされました。

 物理部の創作展示も見応えがあります。教室に並ぶラジコンやアーケードゲーム、空気圧で駆動する四足歩行ロボットなど、ほぼすべてが部員の手作りです。操作方法も部員がていねいに説明し、たくさんの小学生が体験操作に熱中していました。

剣道部の招待試合。小体育館の新設に伴い、5年ぶりに早稲田中高を迎えて気迫ある試合を繰り広げました

 このほか、中1のクラスによる脱出ゲームや謎解きイベント、クラブや有志によるバラエティー豊かな企画があり、多彩に楽しめるラインナップとなっていました。

 また、正門前や階段付近の至るところに会場係の生徒が立ち、「わからないことは、この赤いTシャツの生徒に何でも聞いてください」と声を上げて案内していたので、大きな混乱もなく、来場者もスムーズに移動できているようでした。

 新型コロナの流行前と同じように通常開催された開成祭。完成したばかりの新校舎を舞台に、生徒が注ぎ込んだ熱いパワーを、来場者も感じることができたでしょう。

折り紙研究部員渾身の巨大なドラゴン。はさみやカッターは一切入れず、1枚の紙を複雑に折っています 毎年恒例の古本市は、校内で募って寄付された本を販売。売り上げは慈善団体へ寄付しているそうです 「開成vs筑駒」では、2校から選抜された精鋭たちがクイズに挑戦。多くの来場者を集めました
鉄道研究部の「鉄研の車窓から2023」。毎年人気を集める大ジオラマや模型の体験運転に、多くの子どもたちが集まりました
天文気象部では、星座模型や立体天気図の展示に加えて、プラネタリウムと気象実験も行いました
物理部の手作りレーザーガンを用いた射的。レーザーガンで的を撃つと、ライトが消える仕組みになっています。このほかにも、ロボットやイライラ棒ゲームの展示も

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