受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「24年8月号」より転載/24年7月公開)

母校再訪

逗子開成中学校・高等学校

池田 桂さん(2024年卒業)
西戸 真慧さん(2024年卒業)

海と山を望む恵まれた学習環境のなか
先生の力強い後押しで東大に合格

 逗子開成中学校・高等学校は、「開物成務」を教育理念に掲げる男子の中高一貫校です。「開物成務」とは人間性を開拓・啓発し、人としての務めをなすという意味。その精神にのっとり、多彩な学校行事やクラブ活動、手厚い進学指導などで、生徒が主体的に取り組む姿勢を育成しています。この春、東京大学に合格した卒業生の2人に、学校生活の思い出について語ってもらいました。

逗子開成ならではの行事が入学の決め手に
伸び伸びとクラブ活動に打ち込んだ6年間

池田 桂さん東京大学文科三類1年和太鼓部では、副部長として、部員同士の人間関係を良好に保つためにはどうしたらよいかと常に考えるようになりました。今後にも生かせる学びでした。

―この学校を志望した理由を教えてください。

池田 ぼくは小3から3年間海外に住んでおり、小6の8月に帰国しました。帰国生入試を実施している学校をリストアップし、いろいろと調べていくなかで、いちばん気に入ったのが逗子開成です。遠泳やヨット帆走実習など、ここでしか体験できない授業やイベントが多かったことが決め手になりました。

西戸 ぼくも小学生時代に海外に住んでおり、中1の秋に日本に帰国しました。年度途中の編入試験を行っている学校を調べていたところ、逗子開成のことを知りました。自分としては記念受験のつもりでチャレンジしたのですが、ご縁をいただき、合格することができました。

―入学してみて、学校の印象は変化しましたか。

池田 入学前は、男子校という未知の環境に不安もありましたが、実際に入ってみると、ありのままの自分でいられる雰囲気があり、とても充実した6年間を過ごせました。

西戸 勉強に対して厳しいイメージがあったので、「ついていけるだろうか」という不安もありました。しかし、わからないことがあるときには、先生方が手厚くフォローしてくださったり、クラスメートが優しく教えてくれたりと、みんなで協力しながら高みをめざす雰囲気があり、その温かいサポートにとても助けられました。

池田さんが和太鼓の練習をしていたセミナーハウスの前で。和太鼓部顧問の松原陽一先生(左)、近藤陽一先生(右)と一緒に

―クラブ活動についてはいかがですか。

池田 中高6年間を通して和太鼓部に所属し、副部長を務めていました。文化祭や地域のお祭りなど、演奏を披露する機会に向けて、週に3回練習していました。高3の5月に引退公演があるのですが、そこでは演目や照明、構成などもすべて自分たちで考えます。演奏後には、お客さんから割れんばかりの拍手を頂き、厳しい練習に6年間取り組み続けてきたことが報われた気がしました。

西戸 ぼくは電気部で、同じく副部長でした。活動は週に2回。部員が集まって、それぞれに関心のある分野の実験や研究を進めたり、合同で実験を行ったりします。入部当時は無線や電子回路など「電気部」の名にふさわしい活動がメインでしたが、途中から製鉄や製銅といった金属加工に力を入れるようになっていきました。条件を少し変えるだけで、完成する鉄や銅の質が大きく変わるのがおもしろく、自分なりに考えたベストな組み合わせで、想像どおりの金属が作れたときには達成感がありました。このような大規模な実験が自由にできるのも、逗子開成の寛容な校風のおかげだと感謝しています。

高みをめざす進路指導で
実力を引き上げてくれた先生に感謝

西戸 真慧さん東京大学文科一類1年自由度の高い電気部で意識していたのは、部員の結束力を高めることです。「砂金甲子園(東西中高交流砂金掘り大会)」の学校対抗戦に参加し、3位になりました。

―印象に残っている授業や学校行事はありますか。

池田 水泳の授業です。ぼくたちの学年は、新型コロナの流行期と重なってしまい、恒例行事である「遠泳」が経験できませんでした。しかし、伝統的に水泳に力を入れている学校なので、学校の室外温水プールでは毎年5月から11月まで、泳ぎをしっかりと教わることができます。確かな泳力が身につくほか、クラスメートとの友情も深まり、精神的にも強くなれます。

 ちなみに遠泳とは、中3の7月に行われるイベントで、逗子湾を1.5km泳ぐというもの。この経験はなかなかできるものではないので、これから体験する後輩には、ぜひ楽しんでほしいと思います。

西戸 ぼくはヨット帆走実習です。うまく操縦できず、転覆させてしまったこともあったのですが、それも含めて良い思い出です。今でもクラスメートに会うと、いつもヨット帆走実習の話題で盛り上がります。

―進路指導についてはいかがですか。

西戸 進路指導の特徴としては、先生方の“熱心さ”が挙げられます。「今の実力では難しいからあきらめよう」と躊躇してしまう大学でも、先生方の力強い後押しによって、高みをめざす意識を作ってくださいました。ぼくは、国内最高峰とされる環境で法学を学びたいという思いから、東京大学を志望しました。途中、気持ちが折れそうなときも、先生方はいつも励まし、的確なアドバイスをくださいました。そのおかげで合格できたのだと思います。

池田 ぼくは初め、東大とは違う大学を志望していました。しかし、「東大を狙える実力は十分あるから、挑戦してみたほうがいい」という担任の先生の熱い説得に、「それならがんばってみるか」と一念発起。思い切って志望校を変更したところ、見事に合格することができました。あのときの先生の説得がなければ、東大には進んでいなかったと思うので、とても感謝しています。

「理科棟の前で、砂金掘りの練習をよくしていました」と振り返る西戸さん。今は後輩が引き継ぎ、熱心に活動しています

―将来の夢を教えてください。

池田 まだ職業として明確な目標はないのですが、国際的な仕事に興味があるので、大学在学中にあと二つの言語をマスターするつもりです。そのうえで、世界を俯瞰する視点や知見を深めていきたいと思います。

西戸 ぼくは裁判官になりたいと考えています。逗子開成で学んだことを生かしながら、大学でもたくさん勉強して、社会の役に立てるようにがんばります。

池田さんは高2・3の2年間、西戸さんは中3から高3の4年間、担任としてお世話になった山崎隆先生と。思い出話が尽きません

―最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

西戸 学習面でも生活面でも生徒の自由が認められている学校です。すぐに打ち解けられる気の良い仲間ばかりなので、ぜひ楽しみに入学してほしいと思います。

池田 逗子開成の良さは、海や山に近く、自然に恵まれた環境にあるところです。受験生の皆さん、中学受験をしようと決心したことに自信を持って、悔いのないチャレンジをしてください。

《学校のプロフィール》

逗子開成中学校・高等学校

所在地 〒249-8510 神奈川県逗子市新宿2-5-1
JR横須賀線「逗子」駅、京急逗子線「逗子・葉山」駅より徒歩10分

TEL 046-871-2062
H P www.zushi-kaisei.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

www.zushi-kaisei.ac.jp/examin/

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