受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「24年8月号」より転載/24年7月公開)

母校再訪

安田学園中学校高等学校

渡邊 凌太郎さん(2024年卒業)
川倉 日向子さん(2024年卒業)

意欲的な生徒たちが集う学校
教員の熱い指導が難関大学合格へと導く

 安田財閥を築いた安田善次郎によって、1923年に設立された安田学園。2014年に男子校から共学校に移行し、時代や社会が求めるグローバル人材の育成をめざしています。また、難関国公立大学や難関私立大学への合格実績を着実に伸ばしており、進学校としても今後が期待されています。同校での学びや学校生活から得たものなどについて、卒業生の2人に語っていただきました。

委員会やクラブ活動で指示をした経験が
リーダーシップを高めるきっかけに

渡邊 凌太郎さん東京大学理科一類1年高校の「放課後進学講座」で文理の枠を超えてさまざまな教科を学び、幅広い領域に興味を持ちました。大学でも分野を超えた学問の追究を目標にしています。

—安田学園に入学して、どのような印象を受けましたか。

渡邊 みんなの学力が予想以上に高くて驚きました。先生も熱心に指導してくださる方ばかりだったので、周囲への尊敬の念が自然に生まれるようになりました。

川倉 校舎では、ガラスを多用した明るくきれいな南館が印象的でした。入学当初、わたしはあまり勉強しないタイプだったのですが、クラスメートは意欲的に取り組む人がほとんどでした。一緒に勉強する機会も増え、引っ張られるように、自主的に学習するようになりました。大学受験に向けてお互いを高め合うことができたと思います。

—学校生活で熱中したことなどを教えてください。

渡邊 高2の文化祭です。中3のとき、ちょうど新型コロナウイルス感染症の影響を受け、文化祭が中止になり、その翌年の高1のときもオンライン開催のみでした。そういう経緯もあって、とても盛り上がりました。さらに、そのときの文化祭では実行委員も経験したので、忘れられない思い出となりました。ぼくのクラスは最初、作業が遅れ気味だったのですが、「どうすれば、みんなに快く協力してもらえるか」などと考えながら話し合ったりしているうちに、協力的な仲間が増え、スムーズに準備が進んで、より良い文化祭にすることができました。仲間との関係づくりやリーダーシップの発揮の仕方を学べたことは大きな財産となっています。

英作文を徹底的に指導してもらった池上先生と、思い出の教室で再会。「最後まであきらめないという気持ちを感じたので、こちらも本気で向き合いました」と先生は振り返ります

川倉 6年間所属したかるた部での活動です。特に思い出深いのは、文化祭のときに部員みんなではかまを着け、競技かるたを実演したり、ルールの説明をしたりしたことです。競技かるたを部員と一緒に楽しめる小学生向けの体験コーナーなども設け、来場者と交流できたのも良い思い出です。クラブの友人や先輩・後輩との仲も良く、卒業後も安田学園でチューターをしている先輩たちと連絡を取り合っています。部活では、先輩から指導を受けたことを後輩につなげていくという経験をし、指導力や立ち回りの仕方も養われました。

放課後進学講座で受験対策も万全
先生方の手厚いサポートに感謝

川倉 日向子さん横浜市立大学医学部医学科1年生物の授業がきっかけで人体に興味を持ち、医学部を志望しました。将来は研究医となり、免疫の研究をしたいと考えています。高校で身につけた生物の知識は大学でも生きています。

—中高6年間で印象に残っている授業は何でしょうか。

渡邊 選択制の「放課後進学講座」です。高2の3学期からは大学入試演習を中心とした講座が開かれ、自由に選択できます。講座は英・国・数・理・社すべてそろい、どの講座も一つの問題に対して深掘りしていたので、知見を広げられました。また、安田学園には特徴的な授業として、「探究プログラム」があります。中1では、自然科学探究「磯で生き物さがし」に取り組みました。千葉県館山市の海に行くこと自体も旅行のようでわくわくしましたが、生き物を捕まえてきて、みんなで協力しながら調べ、文化祭で展示発表するという一連の作業が楽しく、今でも心に残っています。

川倉 中1・2のころに教わった数学の先生の授業です。とても熱心な先生で、「解く楽しさ」を教えてくれました。苦手だったはずの数学がどんどん好きになり、気がつけばいちばんの得意教科になっていました。この授業で基礎力をしっかり定着させたことが成績にも反映されました。

—進路を決めた時期や、それに対する学校のサポート内容などについて教えてください。

川倉さんの思い出の場所は、かるた部の活動に熱中した作法室。受験に向けて面接対策の指導を受けた藤㟢先生にも来ていただきました

渡邊 高2の秋に東京大学に進学しようと決めました。ぼくは理系ですが、東大で文理融合の広範囲にわたって深く学びたいと思ったからです。放課後進学講座を通して、歴史をはじめ、幅広い分野の学びに興味を持ったこともきっかけです。最初は、学校の授業や講座で東大受験の勉強をしっかりカバーできるのか、疑問を感じていました。しかし、通常授業の進度がとても速く、おかげで高3では発展的な演習授業に時間を割くことができました。演習授業もレベルが高く、個別の添削にも対応していただき、受験勉強にとても役立ちました。お願いすれば、個別指導もしていただけて、どんな質問にも対応してくださいました。

川倉 横浜市立大学の医学部を志望したのは高1のころです。もともと生物の授業が好きだったため、人体のしくみなどにも興味があり、学問としての医学を深めたくなりました。国際社会に貢献したいというような壮大なスケールではありませんが、身近な家族や友人に何かあったときに助けられる存在にもなりたかったのです。安田学園で良い友人と出会えたから、そういった考えが芽生えたのかもしれません。高3の生物の授業はていねいできめ細かく、時には絵を描いて説明するなどしてくれたので、振り返ると体系的に理解しやすかったと感じています。また、わたしも渡邊さんと同じように、本当に毎日先生に添削をお願いしていました。コメントやアドバイスも必ずいただけたので、受験直前はそれで一気に実力を伸ばせたのだと思います。

—大学では何を学び、将来はどんな方向に進みたいですか。

旧安田庭園や隅田川を見渡せる南館は生徒たちに人気の場所

渡邊 理学部に進みたいと考えていますが、物理の要素を含んだ化学など、分野を超えた学びにとても興味があります。

川倉 将来は研究医になりたいと考えています。特に興味があるのは免疫の研究です。研究室では、さまざまな実験を行う講義などが始まっていますが、先生が実験内容やそのしくみを説明したときに、高校のころに培った生物の知識のおかげで、たいていのことは「これ、知っているな」と理解できるのが楽しいですね。

—最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

渡邊 安田学園は学習面だけではなく、クラブ活動や行事にも熱中できる学校です。先生のフォローも手厚いので、やる気があれば、何にでも挑戦できます。幅広い活動をしたい人は、ぜひ受験を考えてみてください。

川倉 思い切り学校行事に打ち込んで、いざ受験となったときには先生たちが1対1の個別指導から面接対策まできめ細かくサポートしてくださいます。意欲がある人ほど、熱く応えてくれる学校です。安心して入学してください。

《学校のプロフィール》

安田学園中学校高等学校

所在地 〒130-8615 東京都墨田区横網2-2-25
都営大江戸線「両国」駅より徒歩3分、JR総武線「両国」駅より徒歩6分、都営浅草線「蔵前」駅より徒歩10分

TEL 03-3624-2666
H P www.yasuda.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

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