受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「24年7月号」より転載/24年6月公開)

母校再訪

東京都市大学付属中学校・高等学校

桶澤 拓心さん(2016年卒業)
青山 悠吾さん(2016年卒業)

学習にもクラブ活動にも全力で取り組む校風
学んだのは「人としてどうあるべきか」

 東京都市大学付属中学校・高等学校は、「誠実・遵法・自主・協調」を校訓に掲げる男子校です。勉学のみならず、クラブ活動にも全力で取り組む「100:100」の姿勢を重視しており、その文武両道の校風の下、有為な人材を数多く輩出しています。今回ご登場いただく卒業生も、まさに「100:100」を実践してきたお二人。学校生活の思い出や6年間の学びについて語ってもらいました。

卒業後の将来設計にも役立った
「キャリア・スタディ」と「中期修了論文」

桶澤 拓心さんレバレジーズメディカルケア株式会社勤務
順天堂大学スポーツ健康科学部卒業
大学ではスポンサービジネスについて学びました。高校時代に培った、目標と現状の差をどう埋めるかを考える姿勢は、大学の学びにも大きく役立ちました

―中高の6年間を振り返って、思い出に残っている学校イベントはありますか。

桶澤 中3のときの「キャリア・スタディ」です。これは、約半年にわたるキャリア教育プログラムで、さまざまな分野で活躍する先輩の話を聞く「業あり先生」、そのなかから興味のある仕事を選び、実際に職場体験をさせてもらう「企業研修」、そこで学んだことや感じたことをまとめてプレゼンテーションする「キャリア・スタディ発表会」の三つの要素で構成されています。

 わたしは自動車に興味があったので、自動車関連会社に伺いました。そこで対応してくれたOBの方は、70代という年齢を感じさせないほどエネルギッシュで、一人の人間として、また社会人としてあるべき姿について熱く語ってくれました。このことは、将来のキャリアを意識するきっかけになるとともに、資料を作成して大勢の人の前で発表するという点でも、自分の殻を破ることができたイベントだったと思います。

青山 高1の「中期修了論文」ですね。都市大付属中高では、文章を書くことを日ごろから重視しており、この中期修論もその試みのうちの一つです。生徒は4000字を目標に論文執筆に取り組むのですが、ただ文章を書けばいいというわけではなく、テーマを決め、仮説を立て、それを検証するという論理的な思考力が求められます。わたしが選んだ論文テーマは好きなサッカーチームについて。ここで論文を書くための“型”を身につけられたことは、その後の大学や大学院の学びでも役立ちました。

広いグラウンドでスポーツに励み、きれいな校舎で学び、6年間伸び伸びと学校生活を送りました

―クラブ活動についてはいかがですか。

桶澤 中学では陸上部とバドミントン部に所属し、高校時代は個人的にフットサルを続けました。都市大付属中高は人工芝グラウンドや体育館など、スポーツをするのに適した環境が整っているので、伸び伸びとクラブ活動に励むことができました。

青山 わたしはサッカー部です。たいていの部員は高3の春の大会で引退するのですが、わたしはどうしてもやめる決心がつかず、夏の選手権まで現役を続けました。夏休みに入ると、ほかの友人は次々と受験勉強一色の生活にシフトするなか、自分だけサッカーの練習と受験勉強の両立に励む状況は、苦しいものがありました。しかし、それでもしゃにむにがんばった結果、夏休み終盤の模試で出た志望校の合格判定はA。結果的には、勉強と部活の“二兎”を追ったことが、自己管理能力と学力の向上につながったのではないかと思います。それと同時に、「夏まで部活を続けたい」というわたしの意思を否定せず、「納得いくまでやりなさい」と背中を押してくれた担任の先生には、とても感謝しています。

卒業して初めてありがたみがわかった
人としてのあり方を示してくれた先生の存在

青山 悠吾さん株式会社Asian Bridge勤務
早稲田大学スポーツ科学部卒業
大学卒業から今年の3月まで、都市大付属中高サッカー部のコーチを担当していました。後輩の指導に当たるのが夢だったので、とても楽しかったです

―今のお仕事について教えてください。

桶澤 転職を希望する医療従事者と、スタッフを採用したい医療機関をマッチングさせる仕事をしています。たとえば、看護職は95%以上が女性なので、出産や育児といった事情でどうしても一度は仕事を中断せざるを得ず、ブランクを経て再就職を希望される方が多くいらっしゃいます。一般的な正社員と比べると厳しい採用条件を提示されることも少なくないのですが、それでも積極的にエントリーしたり、お子さんを連れて面接を受けたりする皆さんの仕事に対する姿勢からは、サポートする身としても多くの刺激を受けます。その結果、条件に合う職場が見つかり、「桶澤さんに頼んでよかった」と言ってもらえると、とても達成感を感じます。

青山 わたしは、システムエンジニアとして、アプリケーションやウェブシステムの開発をしています。規模の小さいベンチャー企業ですが、だからこそ、社員一人ひとりに任せてもらえる権限が大きく、一つのプロジェクトに広く関われることや、専門性を高められるところにやりがいを感じています。

―東京都市大学付属中高で学んだことが今に生きていると感じることはありますか。

桶澤 先生方に感謝しているのは、学校生活のあらゆる場面で「人としてどうあるべきか」を徹底的にたたき込まれたことです。在校時はそのありがたみを理解しておらず、反抗ばかりしていたことが悔やまれます(笑)。仕事をしていると、さまざまな人に出会います。自分の感情をすぐ表に出してしまう人、仕事相手に対して失礼な態度を取る人などなど。そのような言動を取った後は、誰でも後ろめたさが残るものです。そのような状態で仕事に向き合う人と、一点の陰りもない状態で仕事に向き合う人とでは、成果の質がまるで違います。常に「人としてどうあるべきか」を考える習慣がついたのは、どんな生徒のことも見捨てずに、人として正しい在り方を示し続けてくれた、先生方の熱意ある指導のおかげです。

ゴールキーパーとして守ってきたゴールマウス。卒業後もコーチとして後輩を指導した思い出のサッカーコートです

青山 勉強にも部活にも100:100で取り組むという精神です。たとえば、心肺機能を上げたいと思ったときに、楽に走れる速度でランニングをしたところで効果は期待できません。ペースを上げ、体に負荷をかけて初めて改善できるのです。これは勉強にも同じことがいえると思っています。高3の夏に勉強と部活を両立した経験からも、自分の限界に挑むことでしかキャパシティは広がらないことを学びました。ここで培われた「すべてに全力で挑む」という気概は、社会人として働くうえで、今後も大事にしていきたいと思っています。

卒業時の担任、佐藤康人先生と再会。「個性の強い生徒が多く、おもしろいクラスだった」と先生は当時を思い出します

―最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

桶澤 学力のみならず、人間性も含めた“賢さ”を身につけたい人には、とても良い環境だと思います。勉強や部活で得られるさまざまな経験を通して、人間的魅力を備えた、素直で、芯の強い人になってほしいですね。

青山 この学校の良さは、勉強以外にもさまざまなことに打ち込めるところです。生徒の個性を尊重し、一人ひとりの力をしっかり伸ばしてくれる先生方がたくさんいるので、安心して入学してください。

《学校のプロフィール》

東京都市大学付属中学校・高等学校

所在地 〒157-8560 東京都世田谷区成城1-13-1
小田急線「成城学園前」駅より徒歩10分、東急田園都市線「二子玉川」駅より成城学園前行きバス約20分

TEL 03-3415-0104
H P www.tcu-jsh.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

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