「あ～…」
　父は桜咲かない画面を見てこう言った。初戦から二連敗をし、悲しさと苦しさに襲われる僕に、母は「きっと『おいで』と言ってくれる学校があるはず」と言ってくれた。その言葉で気持ちを切り替えることができた。僕は次の学校へと舵を切った。しかし、またも実らず三連敗。
　僕たち家族は空気を変える必要があると考えた。そのために父が必死で学校を調べてくれた。その結果、僕は受ける予定の無かった学校の第２回試験を受け合格を頂いた。これが大きな安心になっただけでなく、その後の流れを大きく変えることになった。元々、理社が得意な僕が２科の試験で合格したからだ。さらに家族会議の結果、２月１日の慶應普通部を泣く泣く諦め、午前に巣鴨中、午後にかえつ有明中を受けることにし、前の合格のおかげで気負うことや緊張し過ぎることなく臨めたため、どちらも合格を頂くことができた。
　２日の青山学院中も、前日の結果を知っていたため、さらに落ち着いて挑むことができた。
　３日の慶應中等部では、青山学院中の結果は分からなかったものの、２日と同様、リラックスしてトライできた。その後両親と合流した僕は青山学院中の合格を知り、その足で青山学院中にて部長先生から合格通知書を受け取った。慶應中等部には不合格だったものの、楽しく対策し試験ができたので良かったと思っている。
　父へ。暗記カードの作成と帰りのお迎えをありがとう。三連敗の後、作戦を必死に立ててくれてありがとう。母へ。プリントや教材の整理をありがとう。ＳＳのとき、お弁当とメッセージをありがとう。姉へ。土特前や講習前にご飯を作ってくれてありがとう。ＳＡＰＩＸの先生方へ。思わず聞き入ってしまうような解説をいつもしてくれてありがとうございました。最後に自分へ。あなたが合格できたのは諦めなかったからです。受験生の皆さんへ。諦めないことを全力で応援しています。