受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

迷いに迷った志望校

A.Eさん お子さんの名前 Tさん

 のんびり屋さんであまりハングリー精神もない息子に、どう合格をさせてやれるのか。算数が安定しないけれど、国語はまぁまぁ。理科と社会は好きで暗記が得意…。どのような学校が合うのか。自宅から通いやすい場所がいいけれど…などと、悩みに悩んだ志望校選び。この数年で大人気になっている国際化に力を入れている共学校はどこもプレゼンテーションが上手く目移りしてしまい、最後の最後まで決めきれずにいました。子供に何が最もいいのか。親としてできることは何か。すべきことは?と焦る気持ちで夏を過ごしました。慶應義塾普通部の受験には手書きの志願書や学校からもらう調査書の提出もありますし、4教科の受験科目に加えて体育と面接もありますので、1日の試験後の午後受験の選択肢がなくなります。ただ、問題や配点はとても息子に合う気がするとも感じていました。第一志望にした決め手は、6年生の9月に見学に行った労作展。校舎に足を踏み入れた瞬間の息子の一言。「落ち着く~!」…。手と背を伸ばし深呼吸。彼にとって快適に感じられる空間だったようです。それまで何度も足を運んだ帰国生を積極的に入学させているスピード感に溢れた学校も良かったけれど、大学受験に縛られないが故の、好きな学びを続けられる場所を選ぶのが子供にとってベストなのかもと、それまでの方針を転換、息子の第一志望校が決まりました。その後、落ち着いて取り組みができるようになったからか、一時急降下してしまっていた平常クラスも元に戻すことができ、年が明けた頃にはもう、本番の試験を早く受けたいと言うまでになっていました。
 合格をいただけて思うのは、子供自身の気持ちや取り組みはもちろんですが、試験問題や配点が合う学校選びが功を奏したのかもしれない点と、校舎を変えてでも、SSの志望校別コースに参加したことが良かったということです。過去問は自宅であまり取り組まずに済みましたので、第二志望以下の学校の対策に時間を割けますし、サピックスの席次で実際の合格ラインを予測できるので、マンスリーや合格力判定サピックスオープンの結果に一喜一憂せずに取り組めたことがとても大きかったです。これから受験に臨むお子さんとご家族には、少し遠い校舎だったとしても、志望校別のコースに通うことを強くお勧めします。問題の対策ができるだけでなく、同じ学校を目指している子達で切磋琢磨し、その友人たちとまた中学校でも共に過ごしたいと思う気持ちが芽生えたことが、最後まで頑張る原動力になっていたようでした。
 入学前からすでに愛校精神に溢れている息子を見ていて、親の希望を押し付けずに済んで良かったと心から安堵しています。6年生のギリギリまでバスケットボールのクラブを辞めさせず、直前で体調を崩してしまったりも…。あれもこれもと欲張る親によく付き合ってくれました。心からお礼を言います。楽しいたくさんの思い出をありがとう。君は素晴らしい!

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