受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 海城中学校

大切な友達とともに

H.Fさん お子さんの名前 Sさん

 2024年2月4日11時50分、直前に次男をスイミングスクールに送り届けた私は一人、最寄りの駅ビルに入った。海城中学のHPを開き、時計の針が合格発表の行われる12時を指すのを待った。12時となり、受験番号を入力後、息を呑んで「結果を見る」のボタンを押す。目に飛び込んできたのは「合格おめでとうございます」の文字。大きな喜びが体を駆け巡り、その後、長い長い息子の戦いが終わりを告げたことを実感する安堵の気持ちが体を充たしていった。
 ただ、この時点で私の気持ちが完全に晴れていたわけではなかった。同じ小学校の同級生でサピックス仲間でもある友人の中に海城中学を受験した子が何人かいた。その中の一人に、特別な友達がいた。その子は、息子と全く同じ日に生まれ、同じマンションに住み、同じ幼稚園の年少で知り合って以来、最も長い時間遊び、最も長い時間を共に過ごしてきた友達だ。
 家に戻り、しばらくしてからその友達は不合格であったと聞いた。ショックだったが、これも受験の厳しさなんだとあらためて感じた。今後、繰り上げ合格も少しずつ出てくるだろうという情報はあったが、現実的にはかなり狭き門なのではないかと思っていた。
 それから数日、受験から解放された息子は、しばらく休んでいた学校にも戻り、毎日楽しそうに遊んでいた。でも、その友達はまだ学校に戻ってきていないと聞いた。気持ちの整理をつけるにはもうしばらく時間が必要なのかもしれないなと思った。
 しかし、その時は突然訪れた。2月7日13時過ぎ、会社に出勤していた私のスマホに1件のメッセージが届いた。妻からだった。「なんと」「〇〇君繰り上げで合格!!」と打たれていた。その瞬間、思わず「えっ!」と声が出るほどにびっくりした。同時に胸の奥につかえていた小さな塊のようなものが抜ける感覚があった。しばらくして、息子の合格発表の時に味わった安堵の思いが再来し、「これでやっと全てが終わったなあ」と心の底から思った――。
 海城中学には、息子を含め、同じ小学校の同級生でサピックス仲間でもあった4人が一緒に行くことになった。同じマンションのライブラリーで切磋琢磨しながら勉強していた4人が、海城中学という素晴らしい学校に一緒に行けることになって本当に良かった。サピックスの大変なカリキュラムをやり通すことができたのは、本人の努力はもちろんのこと、一緒に勉強してきたみんながいたからだと思う。本当にありがとう。
 最後に、特別な友達へ。今までありがとう。そしてこれからもよろしくね!

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