受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

コツコツ型Aボーイによる、麻布への挑戦

M.Uさん お子さんの名前 Dさん

 小さい頃から底抜けに明るく、個性派男子だった息子。性格的に麻布向きと思っていましたが、入試傾向はそうではなく悩みました。過去の受験体験記を読んでも、「直前まで長時間ゲームをしても合格!」「センスで突破!」など生粋のBボーイたちの成功談が多くて。Aタイプだけれど麻布を志望される方の悩みに少しでも貢献できればと思い、そこにフォーカスして記します。
 息子がサピックスに入室したのは小3の2月。算数に特化するのではなく、理社も含め4科バランス型でコツコツ頑張り、3年間ほぼ最上位をキープしておりました。
 衝撃を受けたのは、初めてABタイプに分かれて判定される小5の9月の志望校診断サピックスオープン。どちらのタイプの学校に向いているか判断する模試で、息子はA偏差値68、B偏差値47を取りました。得意科目だった理科にいたっては、A1位、B3200位! 目指しているのが極めつきのBタイプと言われる麻布だったので、動揺を隠せませんでした。
 そこから巻き返しスタートです。算数は実力勝負なので、それ以外を。国語は記述にかける比重を増やす。長文に慣れるため、毎日一つ国語の文章を読み親子で話し合う。社会はテキスト裏面のコラムを読み込んだり、世の中の出来事について日常で話し合ったり。理科は、解ければOKではなく「なぜそう考えたのか」を掘り下げて学習するようにしました。
 そうしてBタイプの問題にも適応出来るようになった頃、小6の9月からのサピックスの模試では【Bタイプの問題はほぼ出題されなくなります!】通塾生の志望校の傾向としてAタイプの学校が多いのでやむを得ないことですが、志望校対策とサピックスの偏差値(ひいては在籍クラス)のバランスの取り方が課題となります。もちろん麻布合格が目標ではあるものの、併願校対策も大切なうえ、クラスが下がると本人のモチベーションも下がってしまうので悩みました。
 そこで9月からは朝勉をスタート。朝のうちに知識の習得や基礎的な問題を終え、下校後は思考力問題の演習をするように心がけました。国語は、読解記述が求められる麻布と要約記述が求められる他校では全く書き方が変わるため、サピックスの模試の1週間前は渋幕や海城の国語を集中して解くようにする等試行錯誤しました。その結果、合格力判定サピックスオープン4回のいわゆる「持ち偏差値」をキープすることが出来ました。
 麻布を志望することは、クラス維持にも併願戦略的にも苦悩があると思います。しかし実は、渋幕の理科は麻布に傾向が寄ってきておりますし、海城の社会の大部分を占める記述も抵抗なく仕上げることが出来るので、併願の組み方次第では麻布対策が活躍することもあります。
 それでも苦しいときは、サピックスの先生達を頼ってください。私も何度も電話で相談をし、救っていただきました。
 生まれつきのBボーイでなくても麻布は合格できます! 諦めずに頑張って下さい!

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