受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

沖縄尚学高等学校附属中学校

2024年7月31日(水)

グローバル社会を見据えた力強い人間力を育てる「文武両道」の進学校

沖縄尚学高等学校・附属中学校の前身は、1957年に設立された沖縄高等学校です。1983年に現在の校名に変更し、1986年に中学を開設して中高一貫教育を開始しました。「私たちは怖れず 侮らず 気負わず やるべきことに取り組みます」「私たちは暖かみ 厳しさ 知性を身につけ、感謝と奉仕の心を実践します」という二つの学校訓の下、知・徳・体のバランスの取れた全人教育を実践しています。県外や海外からの入学者も多く、「尚学舎」と「尚学グローバル寮」の二つの寮が設置されているのも特徴です。

 この日のオンライン説明会で中学校長の屋比久(やびく)秀正先生は、同校の教育内容を三つのポイントから紹介しました。一つ目は「万全の進学システム」です。中学は2コース制で「尚学パイオニアコース」と「尚学チャレンジャーコース」とがあり、学習進度は同じですが授業の展開が異なります。パイオニアコースでは早い段階から演習や発展的な問題に取り組みます。学年が上がるタイミングでコース移動も可能で、自分のペースに合わせて学習を進められる環境が整っています。

高校では、高1で5コース、高2で6コース、高3で8コースが編成され、希望進路の実現に向けて、きめ細かくサポートしています。2022年から設置された「中3選抜クラス」では、高校の「難関コース」の教員が高校卒業までの4年間のスパンで指導に当たり、医学部医学科や最難関大学の受験にも対応できる高い学力を養成しています。

また、2015年度から設置された高校の「国際文化科学コース」では、国際バカロレアのカリキュラムが導入されています。2024年春は16名の卒業生全員が、日本の高校卒業資格と同時に、フルディプロマと呼ばれる国際バカロレア資格(海外大学への入学資格)を取得しました。

 次に、屋比久先生が二つ目の特徴として紹介したのが、生徒や保護者に対するサポート体制の充実ぶりです。3名(うち公認心理士2名)のスクールカウンセラーが、生徒だけでなく保護者の悩みにも対応しており、カウンセリング室には直通電話も設置されているとのことです。

そして、三つ目の特徴が「人間力を育む取り組み」です。同校は海外に多くの教育協定校を持ち、国際交流を盛んに行っています。その際に不可欠な英語力の育成も重視し、特に英検®の受検指導に力を入れています。各学年で目標級を定めており、2023年度は中3生の63%が準2級以上を取得しました。高3生は93%が準2級以上を、68.5%が2級以上を取得しています。なお、寮には一般生が入居する「尚学舎」と、留学生との共同生活をコンセプトとする「尚学グローバル寮」とがあります。

もう一つ、学校を挙げて取り組んでいるのが「沖縄伝統空手」です。これも各学年で目標級を定め、高校卒業までに黒帯取得をめざします。中高一貫生の9割以上が高校卒業までに黒帯を取得しています。

 こうした学習指導の成果は大学合格実績に表れています。この春は国公立大学・大学校に187名(現役148名)が合格しました。私立大学への合格者数は360名(現役316名)で、早稲田10名(すべて現役生)、慶應義塾5名(現役4名)、上智8名(すべて現役生)などとなっています。医学部医学科への合格者は24名(現役8名)です。学校推薦型選抜(指定校制)枠は、1学年の生徒数を上回る265大学694学部が確保されているそうです。

最後に、入試について説明がありました。2022年度から中学入試で「特待生制度」が導入されましたが、これは専願か併願かを問わず、成績上位者5名程度を対象に入学金・授業料の全額と、施設費の一部を免除するというものです。屋比久先生は「東京会場の受験生も対象です。ぜひチャレンジしてください」とメッセージを送りました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 他の都道府県や海外からも生徒が集まる同校は、中学校は1学年7クラス、高校は1学年10クラスのマンモス校で、中高合わせて約2000名が学んでいます

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