受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

八王子学園八王子中学校

2024年7月16日(火)

学園創立100周年に向けて制服や食堂のリニューアルを推進中

 八王子学園の前身は、1928年に地元有志によって設立された多摩勤労中学です。戦後の学制改革により、1948年に八王子高等学校が発足しました。2012年に中学校を開設し、現校名である八王子学園八王子中学校・高等学校に改称されました。

 この日のオンライン説明会の冒頭、募集広報部副部長の波平慎太郎先生は「2028年に迎える学園100周年に向けて、本校ではさまざまな改革を進めています」と話しました。そのうちの一つが、新制服の導入です。夏服と冬服を廃した基本スタイルをベースとして、ポロシャツ、ハーフパンツ、セーター、ベストなどのアイテムを増やし、気候に合わせた細かい温度調節ができるようにします。通学用のかばんも、リュックサック、トートバッグ、ボストンバッグの三つから選択できるようにしますが、いずれも家庭で洗濯が可能な素材を採用するそうです。

 もう一つは、食堂の改装とスクールランチ(給食)の導入です。食堂のリニューアルは4年後に完了する予定ですが、スクールランチについては、来年秋から提供できる見込みとのことです。波平先生は「スクールランチの導入によって、弁当を持参する必要がなくなります。ご家庭の負担を少しでも減らすことができたら幸いです」と話しました。

 次に、波平先生は「学園モットー」「探究ゼミ」「戦略的な語学教育」「多様なクラス編成」のトピックごとに、詳しい教育内容の説明をしました。まず、同校の「学園モットー」は、「人格を尊重しよう」「平和を心につちかおう」の二つです。これが制定される大きなきっかけとなったのが、1945年8月2日未明の、アメリカ軍による八王子空襲です。市街地の8割が焼失し、約450名が死亡したこの空襲では、学校も学校の関係者も大きな被害を受けました。「このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、それぞれの個性を認め、他者に寛容な心を育てなければならないという思いから、本校ではこの二つのモットーを大切にしています」と波平先生は語ります。近年、世間では多様性を認めることの重要性が声高に叫ばれるようになりました。同校は約80年前からそのような教育方針を掲げていたわけです。

 一方、「探究ゼミ」は、週1コマを使って、生徒みずから課題を設定し、調べ学習からプレゼンテーションまでを行う取り組みです。前期では、学年ごとに決められた大きなテーマを通して探究活動の基礎を学び、後期では、学年の枠を超えたゼミ形式で、みずからの興味関心をさらに深く掘り下げていきます。生徒たちは、3年間の探究活動の蓄積を糧に、大学の総合型選抜や学校推薦型選抜に対応する力を身につけるそうです。

 次の「戦略的な語学教育」では、ネイティブ教員による英語の少人数授業や、充実した国際交流プログラムが紹介されました。なかでも特徴的なのが、中3生全員が参加する「オーストラリア海外研修」です。中学の英語学習の集大成として位置づけられるこの研修では、生徒はホームステイをしながら複数の現地校に分かれて学びます。同校では、中3までに英検®準2級を取得することを目標としていますが、直近2年の達成率が約60%なのも、こうした教育の成果でしょう。そのほかに、希望者対象の対策講座なども充実させているため、波平先生は「現在の中3生は達成率が70%を超える見込みです。非常に楽しみです」と期待を寄せます。

 最後に紹介された「多様なクラス編成」では、中学入試の段階から「特進クラス」と「東大医進クラス」に分けて募集を行うことが伝えられました。特進クラスから東大医進への移動は、成績に応じて年度ごとに可能です。なお、高2以降のコースはそれぞれの状況に応じてフラットに選択できるそうです。波平先生は「高校からはスポーツや芸術の道をめざす生徒も入学し、さらに多様性に富んだ環境となります。個性的な仲間との出会いを求めている受験生にはぴったりの学校です。ぜひ、一度足を運んでみてください」と締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR中央線「西八王子」駅から徒歩5分のキャンパス。クラブ活動も盛んで、特に吹奏楽部は数々のコンクールで入賞経験がある実力派です

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