受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

三田国際学園中学校

2024年7月13日(土)

「THINK & ACT」「SCIENCE」「INTERNATIONAL」をキーワードに「世界標準」の教育を実践

 2015年に、前身の戸板中学・戸板女子高校から改称すると同時に共学化した三田国際学園中学校・高等学校は、グローバル社会に活躍する「発想の自由人」の育成をめざす進学校です。国際的な環境を整えたキャンパスで、充実したサイエンス教育を実践し、国公立大学医学部や難関私立大学のほか、海外の大学に多くの卒業生を送り出しています。

 この日の説明会で最初に登壇した校長の原田啓志先生は、これからの未来を生きる生徒を育てるための教育目標に掲げているものとして、「探究心」「創造性」「責任感」「異文化理解」「リーダーシップ」「共創」「率先」「社会参画」「問題解決能力」「コミュニケーション」「革新性」「生産性」で構成される12のコンピテンシーを紹介しました。コンピテンシーとは、社会で優れた成果を出す人材に共通する資質やスキル、行動特性のことです。原田先生は「本校では、中高6年間でこれらを身につける教育をしっかり行っています」と力説しました。

 同校の学びでは、生徒の思考力を伸ばすとともに、基礎基本となる知識をしっかり習得させ、発展的な内容に取り組むための応用力も養っていきます。原田先生は「生徒が自分自身で論理を組み立て、批判的に考える力を身につけ、そこから新しいものを創造していきます。その過程において、みずから学び、より高い思考力の養成につなげていけるような教育を実践しています」と述べ、生徒たちがクラブ活動やさまざまなコンテストで残したすばらしい成績を紹介しました。また今春は、卒業生184人のうち21人が東京大学(2名)など国公立大学に合格しています。医学部医学科へも7人が現役合格を果たしたそうです。

 海外大学への合格率の高さも同校ならではの特徴で、アメリカのプリンストン大学やカリフォルニア大学バークレー校などの名門校にも卒業生を送り出しています。しかも、海外大学合格者のうち非帰国生が約3割を占めています。原田先生は「海外大学への進学が身近にとらえられる学校であるがゆえの結果です」と語りました。

 こうした国際的な環境づくりに大きく貢献しているのが、34名に上る常勤のネイティブ教員の存在です。「International Teachers(IT)」と呼ばれるこの教員陣は、朝のホームルームから放課後まで生徒にかかわり、日本人教員と同様にクラス担任を務めるほか、進路指導も行います。学校行事・課外活動にも積極的に参加します。「さらにここに帰国生も加わるので、英語が飛び交う場面が日常的に見られます」と原田先生は強調しました。

 次に、副校長兼広報部長の今井誠先生が、三つのキーワード「THINK & ACT」「SCIENCE」「INTERNATIONAL」に沿って教育内容を紹介しました。世界標準の教育を実践する同校において最も重視されているのが、考える力を育てる「THINK & ACT」です。「課題解決に必要な情報収集→分析→構築→表現という科学的なアプローチサイクルができるようになるための学びを、どの教科でも常に展開しています」と述べました。

 中1の段階では、幅広い選択肢から学ぶ「インターナショナルサイエンスクラス(ISC)」と、英語に特化した「インターナショナルクラス(IC)」の2種類のクラスですが、中2からは、ISCから派生する、理数系・情報系分野への高い意欲を持つ生徒のための「メディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)」が加わるので、クラスは3種類となります。

 ICでは、帰国生を中心とするアカデミーグループと、英語初学者向けのイマージョングループとに分かれ、この2グループの生徒がバディを組んで学びます。そして、高校では、日本とオーストラリア(西オーストラリア州)の両方の高校卒業資格を取得できるデュアルディプロマプログラムに移行していき、同校に通学しながら海外の高校卒業資格の取得をめざします。

イメージ写真 理系教育をさらに加速させるために、3階建てのサイエンスラボ棟を建設中。完成は2025年夏を予定しています

www.mita-is.ed.jp/junior/ 別ウィンドウが開きます。

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