受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桐朋中学校

2024年7月10日(水)

「自主・敬愛・勤労」を教育目標に掲げ、世の中の変化に対応できる力を培う

 桐朋中学校・高等学校は、創立84年目の中高一貫の男子進学校です。緑豊かで広大なキャンパスは、JR中央線「国立」駅、JR南武線「谷保」駅のどちらからも徒歩で15分の閑静な住宅街にあります。

 この日の説明会の冒頭、広報主任の河村理人先生は「本日は生徒たちの日常を中心にご紹介します。入学後、ご子息にとって重要なのは、毎日の生活が幸せであるかどうかです。ぜひご子息の表情を想像しながらお聞きください」と話しました。そして、春はサクラ、秋はイチョウが見事な通学路の紹介に始まり、生徒たちの学校での様子が詳しく語られていきました。また、同校が掲げる三つの教育目標「自主的態度を養う」「他人を敬愛する」「勤労を愛好する」については、「日々の授業と家庭学習に励み、行事・クラブ活動・委員会・係などでさまざまな役割を果たしながら、少しずつ育んでいくものです」と説明しました。

 中学は1学年6クラスです。1クラスは42名で編成され、法人内の二つの小学校出身者が各クラスに平均6名ずつ在籍します。高校は1学年7クラスで、高校からの入学生が各クラスに8名ずつ加わり、1クラスは44名編成となります。クラス替えは、高2まで毎年行われますが、学年ごとの担任チームは原則として持ち上がりで、中高6年間をかけて生徒たちの成長を見守ります。

 河村先生は「本校では、いつも誰かが主役であり、みんなでクラスをつくり上げていきます」と力強く語りました。同校では、中学生としての生活習慣や学習習慣の定着を重視し、中1のクラブ登録は1学期中間考査後に行われます。中間考査の最終日には、先輩たちが2時間かけてすべてのクラブの活動内容を紹介します。河村先生は「本校にはさまざまなクラブがあります。生徒は自分が入りたいクラブだけではなく、クラスの仲間や先輩がどんな活動をするのかを理解します。そんなクラブ紹介の日は、敬愛の心を育む機会として大事にしています」と述べました。

 数学・英語・国語(漢字)では、小テストを頻繁に行い、単元ごとの学習内容が身についているかを確認します。基準に満たない生徒には、昼休みや放課後に随時追試などのフォローがあります。また、定期テストの前の放課後には、状況に応じて「スタディー・タイム」と呼ばれる学習会を実施します。各自が各科目の学習進度を客観視して、弱点があれば、それに合わせて対策を講じる機会にしているのです。

 続いて、今春、東京大学に進学した卒業生の青本涼平さんが登壇しました。青本さんは「桐朋には、異なる考えを持つ人を排除せず、むしろ歓迎して、互いに刺激し合う文化があります」「これからの時代は、他の人とは異なる価値観や考え方を身につけたうえで、ゼロから1を生み出す力が求められます。桐朋はこれからの時代に必要な創造性を磨いていける学校です」と語りました。

 その後、再び河村先生が、「自主・敬愛・勤労」というキーワードと、授業の特色を紹介しました。特に「敬愛」「勤労」を育む場となるのが、毎日の授業です。「与えられた問題をただ解くのではなく、みずから課題を見つけて設定する」「正解のない問いについて議論し、質疑応答を重ねながら解を導き出していく」という取り組みを、すべての教科で重視しています。河村先生は「クラスメートと議論を重ねるなかで、生徒は解を導くプロセスの多様性を知ります。その過程を大切にしながら、日々の授業を行っています」と語りました。

 最後に河村先生は、近年、受験生の保護者から進路指導に関する問い合わせが増えていることに触れ、「大切なのは、人生の柱となる6年間の学校生活をいかに充実させるかです。中学入学前から大学受験について考えても、6年後にはまったく違う世の中になっているかもしれません。本校では、どんな状況でも自分の軸を持ってきちんと対応できる青年を育て、社会に送り出したいと考えています」と語り、この日の説明会を締めくくりました。

イメージ写真 広大な運動施設や、専門性の高い学習施設が完備された緑豊かなキャンパス。生徒会活動やクラブ活動も盛んで、全国レベルの実力を持つ陸上競技部・卓球部・将棋部など、たくさんの部・同好会があります

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