受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

攻玉社中学校

2024年7月6日(土)

3ステージプログラムを展開し、切磋琢磨して攻(みが)き合う男子を育てる

 攻玉社中学校・高等学校は、明治時代の六大教育者の一人とされる近藤真琴によって、1963年に創設された蘭学塾から発展しました。中国の古典『詩経』の一節「他山の石以て玉を攻(みが)くべし」が校名の由来で、その精神と「誠意・礼譲・質実剛健」の校訓は現在まで受け継がれています。また、多数の難関大学合格者を輩出する中高一貫の進学校としても知られています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、初めに同校が大切にしている三つの力について、教頭で広報企画部長でもある髙木基之先生が説明しました。一つ目は「説明力」で、これは、対象となる事柄の内容を深く理解して、相手にわかるように伝える力を指し、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上につながるものです。二つ目の「管理力」は、現状を分析し、目標に対して多面的に管理してそれを達成する力です。たとえ途中でうまくいかなくなったとしても、それを改善して粘り強く取り組む力を養います。これらを身につけるために、現中1・2はオリジナルの「攻玉社手帳」を日々の学校生活に活用しているそうです。そして三つ目の「失敗力」は、失敗から得られる学びを最大化して、次の行動に生かす力です。髙木先生は「失敗から何を学び、次はどのようにトライするか、また、その結果をどう定着させるかを考えさせ、生徒の力を伸ばしていきます」と力強く語りました。

 同校では、この三つの力を育むために、6年間を三つに分けた「3ステージプログラム」を展開しています。

 まず、中1・2の「ステージ1」は、「生活習慣・学習習慣を身につける」2年間と位置づけ、6年間の土台を築いていきます。一般学級5クラス、国際学級1クラスの6クラス編成として、一般クラスは毎年クラス替えを行いますが、国際学級は3年間、クラス替えをせずに進みます。いずれも中学3年間の学習内容を2年で学び終えるため、授業スピードは速く、適宜宿題も課されます。英語・国語・数学は、定期試験の結果によって、指名制の補習授業を行います。さらに深く学びたい生徒には、希望制の特別講習も実施します。

 中3・高1の「ステージ2」は「自分と向き合う」2年間です。ここでは、前年度の成績上位者40名が「選抜学級」に所属します。わかりやすい学習目標を身近に置いて、高校受験がないことによる中だるみを防ぎ、生徒の学習意欲を高めていきます。選抜学級の授業は、一般学級とほぼ同様の進度で進みますが、より難易度の高い問題に取り組みます。また、高1からは国際学級がなくなり、その生徒は一般学級に組み込まれます。これは、国際学級の生徒の国語力と、一般学級の生徒の英語力の向上を鑑みた対応であり、垣根をなくして切磋琢磨を促し、相乗効果を上げることを狙っています。

 そして、最後の高2・3は「自分を磨く」2年間です。文理別に計8クラスに編成されるので、クラスの人数は少なくなります。多くの科目でグレード制を採用したきめ細かいサポートを行い、自己実現を図っていきます。

 このほかの特色として、全校生徒で取り組む「黙想」があります。授業の前には全員がこの「黙想」を行い、姿勢を正して深呼吸をし、心を落ち着かせます。これには休み時間からの切り替えを促し、集中力を高める効果があるということです。

 髙木先生は、「3ステージプログラムは、各ステージで最適な教育プログラムを実施しようとするものです。生徒自身が目標に向かってみずから課題を見いだし、周囲と協力しながら計画を立てて取り組み、そして目標を達成していく力を育むことを狙いとしています。自立する力、協調する力の育成にもつながると考えています」と力強く結びました。

イメージ写真 2023年、校庭がリニューアルされました。テニスコートが2面から3面になり、走路もできました。また、ポールの差し込み部分の凹凸をなくすなど、生徒の安全面に配慮した工夫がなされています

kogyokusha.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ