受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

栄東中学校

2024年6月14日(金)

アクティブ・ラーニングを通して、思考力や応用力、豊かな人間性を養う

 さいたま市見沼区にある栄東中学・高等学校は、難関国公立大学や医歯薬系学部に多くの合格者を輩出している首都圏有数の進学校です。今春は、国公立大学に212名(そのうち東京大学に19名)、早慶上理に555名、医学部医学科に70名の合格者を輩出しました。同校の特徴は、各教科の授業や総合的な学習の時間などに、アクティブ・ラーニング(AL)を積極的に取り入れていることです。

 あいさつに立った校長の田中淳子先生は、「私立大学の文科系学部のほとんどが国語・英語・地歴の3教科受験だったころから、本校では『いずれ文系だけの学習では通用しない時代が来る』と予測し、理系の教員を多く採用し、理系教科・科目の学習を充実させてきました。実際どうでしょう。今や、教科横断的な基礎教養と広い視野が求められるようになり、大学入試においても従来の『文系vs.理系』という枠組みは徐々に崩れつつあるのではないでしょうか」と力説しました。

 続いて、学校創設当時から、生徒が主体的に課題研究などに取り組むアクティブ・ラーニング(AL)を実践していることも紹介し、その例として、自身が指導する中1の英語授業の映像を流しました。田中先生は「英語は、早い段階で基礎をしっかり築くことが大切です。本校では、音声学習法『フォニックス』で発音とつづりの関係性を一から学習しています。単語・発音・文法をしっかり定着させ、自分の意見を英語で言えるようになるのが目標です」と、中学で英語に力を注ぐことの重要性について強調しました。

 また、同校では「勉強と部活動の両方に力を注ぐ生徒が多い」とのことで、実際、コーラス部やチアダンス部は全国大会で活躍しているほか、テレビのクイズ番組に何度も出場しているクイズ研究部など、ユニークなクラブもあります。今年3月に卒業した競泳の水野柚希選手はジュニアオリンピック水泳競技大会で金メダルを獲得しました。水泳部の卒業生には、インターハイや国体に出場し、アメリカの名門・米スタンフォード大学に進学した者もいます。

 次に、入試広報センターの稲田昭彦先生が教育全般について説明しました。学習面では、基礎をしっかり定着させるとともに、ALを積極的に実践しているのが特徴です。たとえば、中2の校外ALでは事前学習をしたうえで京都を訪れ、現地調査で歴史や文化の理解を深めるほか、留学生への観光案内にも取り組みます。また、オーストラリアを訪れる修学旅行では、現地校で英語によるディスカッションやファームステイを体験します。このほか、卒業生から、取り組んでいる仕事について話を聞く「ジョブ・コンテンツ」や、それに基づいて「20年後の履歴書」を作成するキャリアALなどを実施していることも説明されました。

 中1から高1までは「東大クラス」と「難関大クラス」とがあり、入試の成績によっていずれかに所属します。学びの「深さ」には違いがありますが、進度は変わりません。年間の成績次第では進級時に東大クラスへの移行も可能です。

 最後に、入試広報センター長の井上和明先生が、2025年度入試について変更点を中心に説明しました。2024年のA日程は、1月10日と11日に分かれ、受験生はどちらかを選択していましたが、2025年度は、10日はA日程(東大)、11日はA日程(難関大)として、独立した入試となります。また、これまで両日ともに3会場を使って行われていましたが、2025年度は10日を5会場に増やします。このほか、「16日のB日程(難関大)では、複数回受験者を対象に30点を加点する」「帰国生入試以外のすべての日程で、合格発表時に得点を開示する」ことも伝えられました。

イメージ写真 JR宇都宮線「東大宮」駅から徒歩約8分の立地。神奈川県方面からの通学も十分に可能です。校舎には室内温水プールや蔵書約10万6000冊を誇る図書館などがあります

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