受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城学園中学校

2024年6月28日(金)

「国際教育」「理数系教育」「情操教育」を柱に、国際感覚・論理的思考力・観察力を養う

 明治期の教育制度の確立に尽力した文部官僚の澤柳政太郎が「本当の教育」をめざして、成城小学校を設立したのは1917年のことです。1922年には中学校が創設され、その後、1926年に7年制の高等学校となりました。戦後は新制の中学校・高等学校になっています。

 講堂で行われたこの日の説明会の冒頭、登壇した校長の中村雅浩先生は、「成城学園は緑豊かな敷地に、幼稚園から大学・大学院までを擁する総合学園です。さまざまな経験を積んだ児童・生徒・学生が一つのキャンパスに集い、ともに学べる環境が本学園の魅力です」と話しました。教育方針「天分を伸ばす」「自学自習」「自治自律」の下、一人ひとりが自分の興味・関心を広げ、持っている力を最大限に発揮することを大切にしています。

 続いて、入試広報部長の本吉先生から、具体的な教育内容について説明がありました。同校は「国際教育」「理数系教育」と伝統の「情操・教養教育」を「未来を拓く三つの柱」として、国際感覚・論理的思考力・観察力を持つ人を育てようとしています。

 まず、国際教育では、主に英語に力を注ぎ、授業を通して「聞く・話す・読む・書く」の4技能を総合的に伸ばします。国際人としてふさわしい英語運用能力を身につけるのが目標です。オーストラリア短期留学、アメリカ・メリーランド州にある姉妹校のマクダナ校との交換留学など、さまざまなプログラムがあり、今年度からは東南アジアでの社会課題解決を学ぶプログラムを高校生対象に開始しました。

 理数系教育では、実験・観察を通して論理的思考力を育むことを目的とし、オリジナルのプリントを中心に授業が行われています。たとえば、中1の理科では全部で8室ある理科実験室を活用し、授業時間の3分の2を実験・観察に充てて、分析力や考察力を伸ばしています。

 生徒たちの身体的・精神的成長を促すための情操教育も重視しています。水泳訓練とライフセービング実習を兼ねた「海の学校」(中1)や、3000m級の北アルプスの山々に登る「山の学校」(中2)など、心身を鍛えながら、仲間と協力して目標を達成できるような行事が行われています。

 カリキュラムは、中高6年間を2年ごとに区切った3ステージ制に基づくものになっています。中1・2では基礎・基本の充実を目標に、自学自習の習慣を定着させることに注力します。中3・高1では応用・発展として、主体的な学びが重視され、探究教育・選択授業も始まります。高2・3では、成城大学への内部推薦希望者が中心の「Aコース」、難関大学文系学部をめざす「Bコース」、医歯薬理工系学部をめざす「理数コース」に分かれ、演習科目なども設定して自己実現へと導きます。なお、中学では、定期試験前の1週間を「R週間」とし、学習の遅れがちな生徒を対象に補習を行うなど、きめ細かくサポートしているそうです。これは試験の前に実施されるので、その成果がすぐにわかります。

 高校では、修学旅行の代わりに全学年が自由に参加できる課外教室があるのも特徴です。3年間で最低1回は参加しなければなりませんが、希望すれば何回でも参加できます。

 成城大学への内部進学率は50~60%で、その選考基準は高校3年間の成績です。「定員枠に縛られず、希望する学部・学科に進学できます」とのことです。また、付属校でありながら、他大学進学のためのサポート体制も整っており、推薦権を保持したまま他大学を受験できます。

イメージ写真 世田谷区成城に約4万坪の広大な敷地を構える同校では、緑豊かで落ち着いた環境の下、四季の風景に触れながら成長することができます

www.seijogakuen.ed.jp/chukou/ 別ウィンドウが開きます。

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