受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

佐久長聖中学校

2024年6月27日(木)

自主性を育む生徒寮を完備。探究活動やグローバルプログラムも充実

 1964年に開校した佐久高等学校は、1995年に中学校を併設して佐久長聖中学校・高等学校と改称し、長野県では初めて中高一貫教育をスタートさせました。全国屈指のスポーツ強豪校である一方、難関大学に多くの合格者を輩出する文武両道の進学校です。

 同校では、今年度から副校長2人体制が導入されました。この日のオンライン説明会では、まずはそのうちの一人である小市昌夫先生が登壇し、中学の教育内容について説明しました。体験学習を重視しており、中1は「挑戦」、中2は「自分発見」、中3は「未来へ」をテーマとしてさまざまな探究活動に取り組みます。発表の場を数多く設けて、プレゼンテーション能力を培います。

 また、英語教育は、「英語の佐久長聖」と呼ばれるほど定評があります。放課後の英検®対策講座「イブニングゼミ」や、ネイティブ教員によるプライベートレッスンを実施して英語力を高めた結果、現中3生73名のうち20名が中2までに英検®準2級を、40名が3級を取得しました。小市先生は「全員参加のカナダ語学研修では、8日間のホームステイを体験するほか、現地で文化交流会や探究活動も行います。これまでは中2で実施していましたが、来年度の入学生からは中3での実施となる予定です」と述べました。

 校舎に隣接する中学生徒寮の「聖朋館」では、学習時間が確保され、教員による「夜の学習会」や高校生の学習サポートもあります。一方で、ネイティブとゲームをしながら英会話を楽しむ「館ACE」や映画鑑賞会、年2回の登山、理事長夫妻との雑談会など、寮行事も多彩です。寮の運営は生徒が主体なので、自立心・自律心も養われるそうです。

 高校の教育内容の説明は、もう一人の副校長の伊賀博之先生が担当しました。中学からの入学生は、中2進級時に授業進度が異なるアドバンストクラスとスタンダードクラスとに分かれます。高校ではアドバンストクラスからの生徒は中高一貫コースに所属します。スタンダードクラスからの生徒は、最難関大学をめざすⅠ類、スポーツや文化活動と学習の両立をめざすⅡ類のいずれかに所属します。伊賀先生は「最近は、総合型選抜・学校推薦型選抜で志望校をめざす生徒が増えており、最難関の国公立大学や医学部医学科への合格者も出ています。6年間で、学力をつけただけでなく探究学習やアウトプットの経験を積んできたからこそ、こうした入試に対応できるようになったと感じています」と話します。

 高校での教育の目玉の一つは、充実したグローバルプログラムです。中1から高2までが受講する週1時間のオンライン英会話のほか、アメリカ、オーストラリア、カナダの3か国から行き先を選べる学年を超えた海外研修(希望制)があります。また、海外の大学生や日本に留学している学生を招いて、英語でのディスカッションやプレゼンテーションに挑戦する「Global Studies Program」も校内で開催されています。今年度は、文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」の留学プログラムに10名が採用されました。これは全国第3位の採用数です。

 二つ目の目玉は「キャリア教育・学習サポート」で、70以上の企業でのインターンシップや進路説明会、順天堂大学での医学部見学ツアーなど、幅広いプログラムが行われています。学習面のフォローも手厚く、各種講座を開講するほか、定期考査前には教員が対応する「質問部屋」も設けています。伊賀先生は「本校では、生徒が自分で決めた進路に向かってがんばれるように、サポート体制を整えています」と強調しました。

 2025年度は、2回の本校入試に加えて、1月13日と14日に「東京入試」が実施されます。一方、4月に開設した系列小学校2校からの内部進学生がいるため、募集定員が120名から90名に減員されるとのことです。詳しくは、学校ホームページをご確認ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 最寄りのJR「佐久平」駅は、東京駅から北陸新幹線で75分ほどの場所に位置し、アクセスしやすい環境です。4月からは、同校敷地内にイマージョン・STEAM教育を進める小学校が開校されました

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