受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

かえつ有明中学校

2024年6月26日(水)

互いに尊重し合う、自由で安心感のある学び舎で、新しい価値観を創りだす国際人を育成

 かえつ有明中・高等学校は、1903年に創立された日本初の女子商業学校から発展しました。2006年に嘉悦女子中学校・高等学校から現校名に改称し、キャンパスも千代田区・富士見から江東区・東雲に移転して男子の受け入れを始めました。「生徒一人ひとりが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創りだすために主体的に行動できる人間へと成長できる基盤の育成」を教育理念に掲げ、国際教養を身につけた21世紀型のグローバル人材の育成をめざしています。

 この日の説明会は、この4月に校長に就任した小島貴子先生のあいさつから始まりました。小島先生は「中高6年間は、ただ単に学力をアップさせるだけではなく、人間形成の土台として、『良い集団』『良い環境』をつくることが重要だと思います」と語りました。そして、生徒と教員との距離感について「生徒に大きな影響を与える存在となっているのが、本校の教員です。エネルギーの塊でもある生徒たちを受け止めるのはなかなか大変ですが、確かな信頼関係が築かれています」と紹介しました。

 その後は、参加者はグループに分かれて校内見学へと向かいました。有明キャンパスのコンセプトは「環境に配慮したエコスクール」です。最初に硬式テニス部が使用するテニスコートを見学しました。硬式テニス部は男女共に強豪として知られます。特に男子テニス部の部員数は、中高合わせて100名にのぼり、全国大会をはじめとする各種大会で優勝や入賞という輝かしい成績を残しています。体育祭も行われる人工芝のサッカーグラウンドは、中学入試の際は休憩場所として開放され、ここでリフレッシュする受験生もたくさんいるそうです。

 カフェテリアは、昼食をとるだけの場所ではなく、授業や、放課後の部活動などにも利用されています。この日は、中1の音楽の授業が行われており、大きなテーブルの上に用意されたさまざまな楽器を使って、生徒たちがグループで曲作りに励んでいました。

 続いて訪れたのが、今年3月に完成した新芸術教室棟です。「BLOOM」(花開く)という愛称がつけられた建物は、教科によってではなく、用途によって人が集まる空間として設計されています。この日、1階の教室では、「高校新クラス」の倫理の授業が行われていました。グループごとに「人権宣言」を写真や洋服、切り絵などの作品として表現するという画期的な授業内容に、保護者の方々も驚きの表情を浮かべていました。この新芸術教室棟のコンセプトを手掛けた、現代アート作家でもある芸術科主任の髙倉吉規先生は、「利用する生徒や職員によって、形が変わり続けるというサイクルを完成形としています。制作物がそのまま展示されるなど、使う者によって良い空間に変わり続けることが、生徒たちの積極的な学びを促し、実現していく姿勢につながると信じています」と述べました。

 2階に行くと、家庭科のエプロン作りに励んでいたサピックス卒業生(中1)が飛び入りで説明会に参加してくれました。普段の学校生活の様子について、「わたしは英語が苦手ですが、クラスに帰国生がたくさんいるので、英語でわからないことがあったら教えてもらいます。逆に帰国生から漢字の読み方を聞かれることもあります。このように教え合えるのがとても良いところだと思います」と笑顔で話してくれました。

 2025年度入試についてはいくつか変更点があります。まず、募集人員は2月1日午前が45名から50名に増員され、2月2日が30名から25名に減員となります。また、2月3日午後のアクティブラーニング思考力特待は、グループワークの時間が90分から120分(途中休憩あり)になるそうです。詳しくは学校のホームページでご確認ください。

イメージ写真 「人権宣言」を自分たちなりのアート作品として表現する、「高校新クラス」の倫理の授業の様子。表現を通して自己を深め、広げていきます

www.ariake.kaetsu.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ